ヨコハマ恐竜展2026 〜恐竜の食卓大図鑑〜

ここからは『恐竜の食事と成長』についての章。

トリケラトプスを貪るティランノサウルス(ティラノサウルス) Tyrannosaurus の親子のアニマトロニクス

本展のキービジュアルになっているのは大きい方のティランノサウルスでした。

少なくとも踏みつけられているトリケラトプスと大きい方のアニマトロニクスは2011年の福井県立恐竜博物館の特展『新説 恐竜の成長』で用意されたジャック・ホーナー先生監修のものですね。

青と赤と白で体色が奇抜なのと、上腕部が完全に肉に埋もれているのがユニークです。

そういえばジェーン Jane もチョンパー Chomper も今日ではナノティランヌス Nanotyrannus に割り当てられていますが、幼若なティランノサウルスの妥当なボディーサイズって推察可能な状態なんですかね? タルボサウルス Tarbosaurus の幼体からの類推?

このトリケラトプスの首は、比較的大人びた顔つきですがティランノサウルスと比べてかなり小さいです。

ディプロドクス Diplodocus

広い会場にはやっぱりいてほしい大型竜脚類のマウント。

これは東海大学自然史博物館のやつですよね?

もちろん竜脚類の成長を説明するためにここに立っているのでしょう。

アパトサウルス Apatosaurus 成体と幼体の頭骨

幼体の頭はあのブラキオサウルスともアパトサウルスとも言われて来たよくわからない、頭のない竜脚類の幼体のアパトサウルス想定の時につけられていたやつのように見えます。特定の幼体化石をそのまま型取りしたレプリカではなく、想定的な幼体の頭骨をシミュレーションした模型のようなものかなと思うのですが、どうでしょう?

幼体と成体の頭骨を並べることで成長に伴う形態や食性の変化を直感的に示す、意味のある展示になっています。ただ、成長そのものにさらに焦点を当てるのであれば、(頭骨の変化が顕著なトリケラトプスなどではこの構成がよく映えると思うのですが) アパトサウルスでは頭ではなく成長段階の異なる大腿骨をですね、欲を言えば4点くらい並べる展示も見てみたかったところです。そんなことは現実的にはできる由もなかったかもしれませんが。

エドモントサウルス Edmontosaurus

この写真ではわかりにくいですが、幼体と成体で歯列が増えても歯の大きさはほとんど変わらないという事がわかる良い展示です。

コリトサウルス・インテルメディウスCorythosaurus intermedius 亜成体

2024年のミュージアムパーク茨城県自然博物館の特別展『恐竜VS哺乳類』で全身骨格が展示されてたやつの頭だけ持ってきたみたいです。

ランベオサウルス亜科 Lambeosaurinae 幼体

またの名をテトラゴノサウルス Tetragonosaurus 、またの名をプロケネオサウルス Procheneosaurus 。この二つは今日では顧みられる学名ではないですが、かつてはランベオサウルス亜科の幼体はクレストが目立たないので、少なくとも一部は独立属として扱われていたそうです。

ここのキャプションではコリトサウルスとされていたかと思います。

ステノプテリギウス Stenopterygius

これは知らなかったのでタウマゼインだったのですが、成長にともなって歯が減って食性が変わると考えられているそうです。

調べたところ、幼体では細長く尖った歯が歯列からしっかり突出し、小型の魚を捕らえていたらしいです。一方、成長すると、顎の成長に歯の成長が追いつかない。性成熟の頃から歯冠の成長がほぼ止まる。歯の交換能力も早期に衰える。歯数も幼体平均約137本から成体平均約110本へ減り、残った歯も歯槽から出ず、餌をつかむ役に立たないといった変化が確認されているらしいです(Dick et al., 2015)。

更に胃内容物もこれに対応しているらしく、小型個体は主に小型魚を食べ、成長するにつれてサカナと頭足類 Cephalopoda へ移行し、大型生体ではサカナが見つからず、主に鞘形類 Coleoidea などの頭足類を食べていたと考えられているそうです(Dick et al., 2016)。

なら歯の少ない成体も見せてくれよというのは贅沢か。

オトドゥス・メガロドン Otodus megalodon の歯

一見すると一個体分の歯がきれいにそろっているように見えますが、ばらばらに見つかった歯から適当なものを選び一個体分の歯列らしく並べているということでしょうか?

参考文献:

• Dick, D.G. and Maxwell, E.E. (2015) ‘Ontogenetic tooth reduction in Stenopterygius quadriscissus (Reptilia: Ichthyosauria): Negative allometry, changes in growth rate, and early senescence of the dental lamina’, PLoS ONE, 10(11), e0141904. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0141904

• Dick, D.G., Schweigert, G. and Maxwell, E.E. (2016) ‘Trophic niche ontogeny and palaeoecology of early Toarcian Stenopterygius (Reptilia: Ichthyosauria)’, Palaeontology, 59(3), pp. 423–431. https://doi.org/10.1111/pala.12232 

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