ティラノサウルス展 〜T. rex 驚異の肉食恐竜〜

僕の望む世界には暴君も仁君もいらん。ケラトプスユウタです。

2021年冬に名古屋市科学館で開催されていた『ティラノサウルス展』に行って来ました。

本展は、日本初公開のアイヴァン IVAN を含む4体のティラノサウルス(ティラノサウルス) Tyrannosaurus のマウントが一堂に集められた事をウリにしていました。

ちなみに名古屋市科学館での開催はこの巡回展の2回目で、初回である大阪会場の時にはいたであろうトリケラトプス・プロルスス Triceratops prorsus、プレノケファレ Prenocephale、ビスタヒエヴェルソル Bistahieversor、タルボサウルス Tarbosaurus、カルノタウルス Carnotaurus、トルヴォサウルス Torvosaurus、メガラプトル Megaraptor 他数種類がリストラされていました。

大阪では最大の目玉として謳っていた「5体のTレックス」の一翼を担っていたらしい AMNH 5027 も名古屋では不在でした。

ナノティランヌス Nanotyrannus のジェーン JANE

2025年末から2026年初頭あたりになってジェーンがナノティランヌス属という事は広くコンセンサスが得られた話になったのかなと思うのですが(Zanno and Napoli, 2025) この頃のキャプションではまだ“ティランノサウルスの亜成体”ということになっていました。

お馴染み福井県立恐竜博物館所蔵のトリケラトプス・ホリドゥス T. horridus のケルシー KELSEY (TCM 2001.93.1)。

このマウントが「ティラノサウルス展」の目玉展示の一つを担ったという事実は、トリケラトプス・ホリドゥスという種の格をよく示している出来事だと思います。

通常、特定の恐竜をテーマにした展示では、その恐竜を中心に据え、それ以外の動物は周辺的な存在として扱われる事が想定されます。

しかしティランノサウルスの場合、生態系を共有していた動物の中に、文化的に同格として扱われている存在がいます。それがトリケラトプスです。

白亜紀末期のララミディアにおいて、この二属は捕食と被食という生態的関係を想像させる象徴的な組み合わせとして長く語られてきました。

したがってティランノサウルスを展示する際には、その時代の大型草食動物を示す存在が不可欠になります。

トロサウルス Torosaurus やエドモントサウルス Edmontosaurus を差し置いて、今回その役割を担う事になったのがトリケラトプスです。

ケルシーのような保存状態の良い標本がティラノサウルス展の中心的展示として用いられるということは、トリケラトプスが脇役などではなく、ヘルクリーク生態系を構成するもう真の主役であることを示しています。

言い換えれば、ティラノサウルスという捕食者の存在感を成立させるためには、それに対峙する巨大な被食者が必要であり、その役割を担えるのがトリケラトプスなのです。

ティラノサウルス展の中でトリケラトプスの標本が目玉として扱われるという構図は、この種が白亜紀末期の陸上生態系を象徴する存在であることを改めて示していると言えます。

ティランノサウルス(ティラノサウルス) Tyrannosaurus のアイヴァン IVAN

Tレックスのアイヴァン以外は目新しい標本はありませんでしたが、アイヴァンの発見部位が図示されていて親切でした。

尾の筋肉についてのキャプションが詳しかったです。尾大腿筋って2種類あるんですね。

なんだっけこのティランノサウルス。顔はスタン STAN っぽいですが、名義はワイレックス Wyrexの可能性もあります。

今回のレポートは全体的にあっさりですが、写真をこれしか掘り起こせなかったのです。すみません。

特別展のギフトショップでは3種類の恐竜をイメージしたというコーヒーを見つけました。トリケラトプス、ティラノサウルスに加え、まさかのオヴィラプトル Oviraptor が抜擢。

トリケラ以外の二つは酸っぱい香りがしました。ちなみに私ケラトプスユウタ、コーヒーは体質に合いません。

2026年春にまたこの展示会の巡回が新潟県立自然科学館で開催される予定です(概要/外部リンク)。ご興味のある方はぜひ足をお運びください。

次回の記事は科博の『大絶滅展』かもしれません。

それじゃ👋

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常設展示の悪名高いマプサウルス Mapusaurus 親子

2009年の国立科学博物館の特別展『大恐竜展 知られざる南半球の覇者』の目玉展示だったもので…あんま言うとあれか。