千葉市科学館『夏!恐竜!!ちばディノランド』

東京電力を名乗るフィッシング詐欺👇にご注意。ケラトプスユウタです。

7月19日、千葉市科学館で開催されていた「夏!恐竜!!ちばディノランド」へ侵入しました。

会場にはアニアの模型を大量に使った大きなジオラマや、リアル調の恐竜着ぐるみ、巨大な足跡化石のレプリカなどが並び、賑やかな展示でした。

アニアのジオラマ

恐竜と現生動物が入り乱れる様子は、さながら『プライミーバル』の時空の亀裂が開きっぱなしになった世界。時代も生息地もお構いなしですが、だからこそ、生き物を自由に並べて自分だけの世界を作るサンドボックスの楽しさが詰まっています。

ココロ製のブラキオサウルスのアニマトロニクス。長い首を伸ばしたブラキオサウルスに餌をあげる体験ができ、その光景はまさに『ジュラシック・パーク』でグラント博士と子供たちが木の上からブラキオサウルスに餌を与える、あの名シーンを彷彿とさせます。映画ではブラキオサウルスの鼻息をまともに浴びるというオチまでついていましたが、スクリーンの中で憧れた「巨大な竜脚類と同じ目線で触れ合う」という体験を、アニマトロニクスで疑似体験できるのが面白いところです。

もっとも、こちらはレックスのように盛大なくしゃみを浴びる心配はありません。

ディノランドといえば江ノ島ディノランド、つまり木下いたるさんの漫画『ディノサン』です。

モニターで上映されていたのはディノサンの児童向け絵本を原作としたアニメーション。漫画とはまた違った、動いて声を出すマサルや須磨すずめたちを見られるのはなかなか新鮮。こうして実際にアニメーションになった姿を見ると、今度はぜひ『ディノサン』本編そのものをアニメーション、あわよくば実写で見てみたくなります。

とりわけ目を引いたのが、世界最大級の巨大な竜脚類の足跡化石のレプリカ。

今回の展示には骨化石こそありませんが、このように足跡化石が展示され、その発掘現場や研究についても紹介されています。ジオラマや着ぐるみ、『ディノサン』などサブカルチャーとしての恐竜を見せつつ、実際の化石から恐竜の姿や行動を読み解く古生物学の側面もしっかり押さえているのが「千葉ディノランド」の素敵なところ。

これにより「恐竜で遊ぶ」と「恐竜を研究する」の両方を一つの会場で見せている企画となっています。

壁にはゴビ砂漠の産状での石垣先生の写真も大きく掲示されていました。

石垣先生らはゴビ砂漠の上部白亜系で長年足跡を調査しており、シャルツァフという場所では多数の竜脚類の行跡が確認されているそうです。2022年の調査では竜脚類の行跡23本、足跡1,000個以上が確認され、しかも前足の足跡を伴う行跡はモンゴルでは初の発見と報告されました(石垣 et. al., 2024)。

恐竜模型。仕事仲間の剛さんこと造形作家の原嶋剛慎(はらしまひさみつ)さんの手によるもの。栄養レベルの高い獣脚類が主役になっていて躍動的なものが中心です。

トリケラトプス・プロルスス Triceratops prorsusの親子と大きなトンボ。ミニチュアながら力強いです。

そしてこれが目当てのドゥオニクス(デュオニクス) Duonychus の着ぐるみ。

会期中2度ほどグリーティングのようなイベントをしていたと伺っています。この7月19日はその一回目でした。他の期日では固定展示されていたはずです。

ミニチュアもさることながら、剛さんの作品で特に面白いのが着ぐるみのシリーズです。驚くべきことに、このドゥオニクスを造形したのも、実際に中に入ってパフォーマンスしているのも原さんご本人です!

恐竜の姿を立体物として作り上げる造形力と、それを自ら動かして「生き物」として見せるパフォーマンスを一人で担っているわけです。生態模型では恐竜の生活の一瞬を切り取り、着ぐるみではその恐竜に命を与える。同じ作家さんが造形から演技まで一貫して手掛けているからこそ、動物としての説得力が匂い立ちます。

越権行為でバックヤードで各パーツをじっくり拝見させて頂いたのですが、撮影などという無粋なまねは遠慮させていただきました。

ドゥオニクスは上体を起こした姿勢や体の大きさといった着ぐるみ向きの造形、そして新規性。あらゆる面で今展示される着ぐるみのモチーフとしてうってつけの恐竜かと思いますがいかがでしょう。

注目していただきたいのはドゥオニクス最大の特徴である二本指の手だけでなく、テリジノサウルス類 Therizinosauridae らしく第一趾が接地しているところです。ドゥオニクスそのものからこの部分の直接証拠は出ていないかなと思いますが、テリジノサウルス類ならではの個性として強調してもらいました。鳴き声はデジタルではなく、笛で表現されているとの事。

さて本展は化石、復元、生態模型、着ぐるみ、アニマトロニクス、漫画・アニメ、そして恐竜玩具。扱っているものだけを並べれば散漫なのですが、むしろそれが魅力だったように思います。恐竜は研究対象であると同時に、作って、動かして、遊んで、語り草にして楽しめる存在でもある。その多様な付き合い方を一つの場所に詰め込んだイベントでした。

それじゃ👋

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参考文献

石垣 忍・Buuvei Mainbayar・Byasgaa Ganzorig・Khishigjav Tsogtbaatar. 2022.「モンゴル国ゴビ砂漠南東部シャルツァフの上部白亜系より新たに発見された竜脚類等の足印及び行跡について(概報)