トリケラトプスにパキリノサウルス、スティラコサウルス、プロトケラトプス、プシッタコサウルス…先進国民でその存在を知らない人はいない(そんなことはない)程、角竜類は多くの人に愛されています(そんなことはない)。角竜がこれほどまでに多くの人に愛されているのは何故でしょうか。角竜には、クチバシや頰の突起に加え、角やフリルといった装飾に至るまで、人々が畏敬の念を覚える(そんなことはない)パーツが頭部に集中しています。白亜紀後期に突然この世に現れたケラトプス類と呼ばれる角竜は、大型動物としては異例の速さで多様化し、各々の種が極端な進化を果たすことで命の強さ(なんじゃそりゃ)を最大限に引き出しています。爬虫類共通の自然の美を強く感じられる角竜は、親しみやすい格好良さで人々の心を魅了しています(そんなことはない)。子どもからお年寄りの方まで、年齢や性別を問わず愛されている(そんなことはない)のは、全ての古生物の例に漏れずミステリアスであることも理由の1つと言えます。その土地と時代の環境が生み出したご当地角竜は、幸運にも多数知られるようになりました。地域ごとに独自の進化を遂げた角竜を地球という一つの星の中で楽しめます。
御託を並べても始まりませんね。角竜を前に言葉は無意味だと言うのに。ケラトプスユウタです。
前置きが長くなりましたが、特別展 Dinosaur dynasties に展示されていた魅力溢れる角竜たちを見ていきましょう。
チェリーフェイス Cherry face またの名をケラシノプス・ホドグスキッシ Cerasinops hodgskissi またの名をサクランボの顔 (お義母さん、それ和訳してるだけですよ)
MOR 300 レプリカ
この方を拝めたのは僥倖でしたね。うんうんうん。
オシャレな名前は化石が赤みがかっている事に因んでいるそうです。
基盤的ネオケラトプシアン Neoceratopsia。それより詳細な分類は定かではないですが、ここではレプトケラトプス科という位置付けで紹介されていました。
頸肋骨はなぜかマウントされておらず、基盤的角竜類においてよく保存されてる鎖骨は組まれています。
比較的有名であるもののお目にかかると事の稀なケラトプス類ですが、縁あって本ブログ2度目のご登場が叶いました。
エイニオサウルス・プロクルヴィコルニス Einiosaurus procurvicornis
MOR 456 (ホロタイプ) レプリカ
標本はツーメディシン累層上部下層?でかなり見つかるようで、パキリノサウルス族 Pachyrhinosaurini の中ではパキリノサウルスに次ぐ知名度を誇ります。
実物はこんなに整った顔ではないですが、表面の質感が如実に現れたレプリカではあります。現物は後々のブログ記事で紹介したいところ(ケラトプスユウタの過去ツイートを探せばあるはずですが)。
アケロウサウルス・ホルネリ Achelousaurus horneri
MOR 485 (ホロタイプ) レプリカ
本種も二度目の登場。前回ご登場いただいた標本は変形が酷いもんでしたがこちらはエイニオ同様だいぶ修正されています。
エイニオと同じくツーメディシン累層上部産ですが、より新しい時代に生きたパキリノサウルス族で、ここでエイニオサウルスの子孫の扱いでした。まあ少なくともそれに近い動物であることは間違いなさそうです。
角が進化して瘤になっていますが、若い個体ではもっと角っぽくなっているものです。それも後々記事にしたいと思っています。
目の上と鼻の上の粗いシワは角質のベースだったと思われます。パキリノサウルス Pachyrhinosaurus でたまに見られる角質だけで構成されたという設定の角のある復元は見たことも聞いたこともないです。
この種がパキリノサウルスに漸次進化したという説もあります。
知る人ぞ知る角竜
ルベオサウルス・オヴァトゥス Rubeosaurus ovatus 実物
長い間スティラコサウルス属 Styracosaurus 第2の種とされていて、ホーンレットの違いからおそらく別属だろうと言われ続けていた(ソースは藤原慎一さん)のですが2010年(記載から80年後)経って新属として独立したものです。
パーツは左から鼻骨角、上眼窩角、頭頂骨断片、頭頂骨のホーンレット×2(左のP3とP4)。
鼻角が勇壮なのはスティラコ似ですが、スティラコサウルスの姉妹群かと思いきやどうもエイニオサウルスの姉妹群らしいです。
ルベオサウルスは僕にとって最初で最後の邂逅だったかもしれませんが、それにしても、なるべく多くのケラトプス類を見てみたい僕にとっては嬉しい出会いでした。ケラトプス類じゃないけどケラシノプスも。
今日はここまで! それじゃ👋