PCM

脛骨の後ろの骨は腓骨。ケラトプスユウタです。

2018年10月17日はマルタ Malta の街にあるフィリップス郡立博物館 Phillips County Museum (以下PCM)を訪ねました。

カーター郡立博物館 Carter County Museum とはこのような位置関係です。上がPCMです。

隣接するグレートプレイリー恐竜博物館 Great Prairie Dinosaur Museum は残念ながら休館していました。行かれたことある方はぜひいろいろ教えてください。

これはその恐竜博物館のコミカルな恐竜模型がある庭からPCMの建物を写したもの。

それぞれステゴサウルス、竜脚類、トリケラトプスと思われる模型。レトロな復元を独自に発展させたかのようなデザインですが、特徴を捉えていて独創性もあってかわいいです。

馬車とTレックスが背き合うという、シンプルながらもモンタナの歴史を良く表現したデザインの壁。

それでは展示物を見ていきましょう。

主な展示ホールは1階と2階の2箇所です。化石や剥製などの生物史に関する展示は1階です。

中央付近に佇んでいるのが当館唯一のマウント、ゴルゴサウルス・リブラトゥス Gorgosaurus libratus (キャプションではアルバートサウルス Albertosaurus)

ジュディスリバー層 Judith River Formation 産とのことですが、同層はあまりティラノサウルス科 Tyrannosaurid の印象ないです。いたことは確実だと思うのですがあまり聞かないです。

床に寝かせてある上、高い柵で囲まれている関係で全体を撮ることが難しいこの全身骨格はジュディスリバー層を有名たらしめている標本の一つ、最も完全なブラキロフォサウルス・カナデンシス Brachilophosaurus canadensis のエルヴィス Elvis という個体。実物とのことですが、補完されてるかどうかはよくわかりませんでした(見た目の質感では明らかな他個体由来のレプリカやアーティファクトは確認できず)。

どうあれ、中生代の脊椎動物化石全体のレベルからしても最上級の完全性を誇る標本なのは間違いないでしょう。

ちなみに種小名はカナデンシスで、最初に見つかったのはカナダのアルバータですが、モンタナ州で多くの化石が発見されていて、モンタナを代表するような恐竜の一つです。

ハドロサウルス類 Hadrosaurid 大腿骨。

ジュディスリバー層産 セントロサウルス亜科 Centrosaurin (おそらくナストケラトプス族 Nasutoceratopsini) 亜成体のフリルの構成要素(鱗状骨と頭頂骨)

マルタの新分類群 Malta new taxon

「マルタケラトプス」 “Maltaceratops“

ジュディスリバー層からは複数のセントロサウルス亜科が知られてますが、どうやら既知のセントロサウルス亜科ではなさそう。特徴があるとはいえこれだけで新種記載は難しいようにも思えますが…。(去年マイケル・ライアン博士らが記載しようとして潰されたんだっけ？)

千葉 et al. (2017)によると、ナストケラトプス族の最派生の位置付けでナストケラトプスの姉妹群。

キャプションの画像はトリケラトプス・プロルスス Triceratops prorsus LACM 151459 で、ケラトプス類である事以外ほぼ関係ないですが、どうしてもかっこいいトリケラトプスの写真を使いたかったんでしょうね。わかります。

モササウルス類 Mosasaurid の脊椎。

ウミユリ Crinoid

ロブスターの化石。

ティロサウルス類 Tylosaur の下顎。

陽気なヒトデ🤓

三葉虫 Trilobite

続く2階は歴史の展示ホール。昔の家具などがあります。

ガンマンの服。

ロックストック・アンド・エイト・バレルズ Rock Stock and Eight barrels 。

最後に、スティラコサウルス Styracosaurus っぽい頭を見つけたネイティブアメリカンたちの図。表皮系が保存されているようにも見えますが…(鱗状骨の違和感は変形のせいという解釈にしておきます)。

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簡単に紹介しましたが、少なくともエルヴィスだけは一見の価値があると思います。ケラトプス類に興味がある方はマルタケラトプスも大いに楽しめるでしょう。

今日もありがとうございます。それじゃ👋