そのうち死語になることが目に見えてる流行語は使わない主義。ケラトプスユウタです。
予告通り今回からヘルクリーク層 Hell Creek Formation の恐竜たちが惜しげも無く展示されている角と歯のホール Hall of horns and teeth という展示場を紹介していきます。
ヘルクリーク層は中生代の最末期の地層で、すごい恐竜を多産する事で有名です。
いきなりこのホールの主が出迎えます。
ティラノサウルス・レックス Tyrannosaurus rex 成体
MOR 980 通称モンタナズ・ティーレックス Montana’s T. rex あるいはペックスレックス Peck’s rex
モンタナ州マッコーン郡 McCone County 産。
フォートペック・パレオントロジー株式会社 Fort Peck Paleontology, Inc がロッキー博物館から化石を借りてマウントを組み立てたものだそうです。
約60%が実骨のマウント。実骨部分は茶色、補完されている要素はもっと明るい色になっているのがわかる親切仕様。ただし頭骨は完全にレプリカで、茶色い部分が実際に見つかっている要素で、明るい色の部分はアーティファクトだそうです。
☝️この標本が実骨を含むモンタナズ・レックスの頭骨。世界で3番目に大きなTレックスの頭骨らしいです。
ここからは世代別のティラノサウルスの頭骨比較の展示。
モンタナズ・レックスの正面顔。
おなじみの、獣脚類らしからぬ厚みが力強さを物語ります。
モンタナズ・レックスの右側。こっちの方が実骨部分多いですね。
こちらの方は世界最大のTレックス頭骨(実物を含む)
MOR 008 通称 カスター Custer
キャプションによると18〜20歳の高齢者とのこと。
福井県立恐竜博物館の特別展でも見たことありましたが、何度見てもすごい迫力です。トリケラトプス Triceratops を喰っていただけの事はありますね。
ロッキー博物館のTレックスではもっとも有名であろう MOR 555 こと ワンケル(ビッグ・マイク)
こちらも18〜20歳らしい。
MOR 1125 こと ビーレックス B-Rex
14〜15歳の亜成体。
御船町恐竜博物館の特別展のレポートでも紹介しましたが、骨髄骨の研究からメスであることが示唆されている恐竜の一つです。
BMRP 2002.4.1 こと ジェーン Jane
8〜9歳の幼体(juvenile)
わかりやすく細長いですね。
ジェーンもナノティランヌス Nanotyrannus という別属かもしれない標本として何度か紹介していますが、(ホーナー博士が統合派って事を差し引いても)ナノティランヌスは若いティラノサウルスと見る説が有力のようです。
BMRPはバーピー自然史博物館 Burpee Museum of Natural History の略で、ロッキー博物館はそこの標本のレプリカを買ってまで展示しているわけですが、その行為にホーナー博士の熱意を感じます。
MOR 6625 こと チョンパー Chomper
1歳の幼体(baby)
眼窩が大きくて赤ちゃんっぽいのはわかりますが、あとは普通の肉食性コエルロサウルス類 Coelurosauria のおもむき。
頭骨だけとはいえ、これだけのTレックスの標本を常設している施設は他にないでしょう。
それにしてもいちいちニックネームがついてるのがティラノサウルス人気を物語っていますね。
次回はあのバケモノが再登場…!!
“MOR #13 HALL OF HORNS AND TEETH / THE TYRANT OF THE TYRANTS” への5件のフィードバック