ANSP #8 お前はトロサウルスがなきゃ生きられないのか?

ブログを自粛する必要がどこにある? ケラトプスユウタです。

こんにちは。フィラデルフィア自然科学アカデミーの8回目です。

今日も再び偉大なケラトプス類 Ceratopsid が紹介できます。

トロサウルス・ラトゥス Torosaurus latus の補完された実物頭骨。

ANSP 15192

これまでに9体分未満のトロサウルス・ラトゥスと断定できる頭骨がアメリカ西部の後期白亜系マーストリヒチアン階から報告されています。ANSP15192 はそのうちの一つでサウスダコタ州のヘルクリーク層 Hell Creek Formation で発見されたものです。トロサウルス・ラトゥスの第3標本です。

フリルの開口部(頭頂骨窓)と頬骨の一部、吻骨が石膏で補完されてます。十分長大に見えますが、補完された状態で吻端から頭頂骨の縁までの長さが177cmとトロサウルスとしては小さめで、明らかな亜成体であると考えられます。

“トロサウルスが成熟したトリケラトプスである”とするスキャネラ氏やホーナー先生の仮説の否定材料となる標本の一つですね。

幅広い頭頂骨に比して目立たないながらも個々の存在は明瞭な縁頭頂骨、包丁のような鱗状骨、トロサウルスらしいまっすぐな上眼窩角にまっすぐに近いマズル、狭い口先、初々しさのある鼻角、これらの組み合わせが特徴的で非常に魅力と気品あるトロサウルスです。

それにしても頭骨一個だけでこれだけ大上段な威圧感があるのも大型トリケラトプス族 Triceratopsini ならではの醍醐味と言えるでしょう!

生きて頭を振りかざしていたら、さすがのティラノサウルス Tyrannosaurus も怯んだに違いありません。そう、ティラノサウルスと渡り合っていた角竜はトリケラトプスだけじゃないのです。

今日はここまで。それじゃ👋


参考文献:

McDonald A., Campbell C., Thomas B., 2016. A New Specimen of the Controversial Chasmosaurine Torosaurus latus (Dinosauria: Ceratopsidae) from the Upper Cretaceous Hell Creek Formation of Montana, PloS one 11 (3)

・Sullivan R.,Boere A., Lucas S., 2005. Redescription of the ceratopsid dinosaur Torosaurus utahensis(Gilmore, 1946) and a revision of the genusCambridge University Press.

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