当ブログで紹介した回数の多い標本ランキング作ってみたいけど絶対めんどくさい。ケラトプスユウタです。
前回からアメリカ自然史博物館のケラトプス類を紹介しております。今日紹介するのはこちらのお方!
AMNH 5372
(右前肢以外は両側に足がデザインされているので実質7本足という珍品)
この完全に近いスティラコサウルス Styracosaurus は、1915年の夏にブラウンさんとジョンソンさんがレッドディア川(ベリーリバー層 Belly River Formation)で発見されたものです。その時はモノクロニウス Monoclonius (今日では疑問名)とされていました。
AMNH 5372 は(頭骨がかなり断片的である事、最初の三つの頚椎の大部分と尾の先の方を欠く事を除けば)完全なものでした。
スティラコサウルス属は2年前の1913年にこの標本と同じロカリティでスタンバーグ一家に発見され、ランベ博士によって記載されていましたが、ホロタイプは頭骨が潰れていて吻骨と下顎骨を欠いていました。
ブラウン先生らはタイプ標本とこの標本、両方が同じ地層の同じロカリティのものであることを認めつつ、両者は結構な感じで異なっており新種をおったてるのには十分だろうと考え、この方をスティラコサウルス・パルクシ Styracosaurus parksi として新種記載しました(ウィリアム・パークス博士への献名)。
ブラウン先生らは、この標本はアルベルテンシスとは頬骨の形質が大きく異なる点と尾椎がより小さい事に注目しました。それから、よりゴツい下顎、より短い歯骨を有し、フリルの形状も違っていると指摘しました。
けれどもこの頭骨の大部分は石膏製のアーティファクトで補完されております。しかも論文では実際の頭骨は示されていませんでした(参考文献)。
現在ではスティラコサウルス・アルベルテンシス Styracosaurus albertensis の良好な標本の一つとして広く受け入れられています。
今日はここまで!
それじゃ👋