神流町恐竜センター #8 元サイカニア

オーストラリアはどうなってしまうのよね。ケラトプスユウタです。

今日も引き続き神流町恐竜センターの展示物紹介です。さっそく見て行きましょうアンキロサウルス類 Ankylosaurid (元サイカニア Saichania)

サイカニアとして知られていた標本(MPC 100/130)。

一般的なサイカニアのイメージは大概この標本に基づいていると思います。

元サイカニアはほぼ完全な骨格ですが、頭骨だけそっくり欠けていたため、頭はホロタイプのキャストをつけて復元骨格が製作されました。

ところが、ホロタイプと元サイカニアの前肢の形態が異なっており、産出した地層も別でした。

よって、「サイカニアの全身骨格」は頭部を除いてサイカニアではないことがほぼ確実となり、「ピナコサウルスっぽいなにか」または「属不明のアンキロサウルス科」となりました。

ピナコサウルスは幼体や亜成体はけっこう見つかっています。成体と思われる個体の腰の骨は大きく、全長5mと推定されていますが背は低いです。

元サイカニアの全長は3mほどと見積もられ成体サイズではありません。ぱっと見でわかるのは四肢の短さで、前肢がより短いですね。アンキロサウルス類は脚が短いイメージがありますが、アンキロサウルス類基準でも短いです。脚の短さはひっくり返りづらいというメリットがあるかもしれません。(ひっくり返ったら起き上がりづらいという事にも繋がりそうですが😅)

後の時代(ネメグト層 Nemegto Formation: タルボサウルス Tarbosaurus、サウロロフス Saurolophus などの時代)より乾燥した環境に生息していました。

元サイカニアは鎧の保存が良好で、体側面に大きな鎧が並んでいるのが確認できる珍品です。ヨロイ竜は死後河川などで、大きな腹にたまったガスが膨らみ、浮力によって裏返り、破裂後に沈没しやすいため、皮膚印象が残るのは背側であることが多いと言われています。

元サイカニアは首の付け根から途中までは発見されていますが先の方は出ていないし、背側も上面は失われています。うつ伏せのまま死んで化石になったと思われます。


続いて元サイカニアの背後にいる 堅頭竜類Pachycephalosaur ホマロケファレ Homalocephale

かっこよくはないですよ? でも未発見部位を不確かな想像で補うよりはこういうので良いんですよ。

頭の上面が平らな堅頭竜として知られていますが、ドラコレクス Dracorex がパキケファロサウルス Pachycephalosaurus の若い個体だったと言われているように、同じ地層で見つかっているプレノケファレ Prenocephale (頭頂部がドーム状)の亜成体という説があります(参考文献)。

後方胴椎、骨盤、尾椎、および後肢はほぼ完全ですね。前半身をごっそり欠いている中で頭骨だけは残っているのが、頭の堅さを物語っています。

パキケファロサウルスでも見られるような骨化腱に包まれた尾。


そして二階には羽毛恐竜として有名な動物化石がいくつか。

シノサウロプテリクス Sinosauropteryx

ミクロラプトル Microraptor

コンフキウソルニス Confuciusornis

つがいが一緒に綺麗に保存されているという完璧な標本。サンコウチョウを思わせる飾り羽があるのが雄だろうと言われております。

これはシソチョウ Archaeopteryx の組立骨格でしたっけね?


ケサイ Coelodonta antiquitatis

当館唯一の哺乳類および新生代生物のマウントです。

表皮系で構成された二本の角を残したままなせいで過剰にカッコいいですが、肩というか前肢はこんなに胴体から離れていて良いのでしょうか?

いろいろな化石哺乳類の生体復元模型。

前来たときもうちょっと哺乳類の復元骨格があったような気がしたんですが記憶違いですかね?


食堂でプテラノ丼なる料理をいただきました(プテラノ丼を中央にすべきでした)。

鶏の照り焼き丼です(プテラノドン Pteranodon は恐竜じゃないけど、ニワトリは恐竜)。

イグアノ丼(牛丼)もあります。700円です。みそ汁、一品付きです。プラス100円でご飯大盛りにできます(画像中の文字情報を羅列)。

そういえば、こちらでプライベートの高橋功さん(ゴビサポートジャパンさん)にお会いしてお話をさせていただきました。ありがとうございました。

あと神流町恐竜センターはこういったオリジナルのフィギュアを販売している事でも知られています(ステルスマーケティングではないです)。

闘争化石は失われた部分を補完せずそのままでも(以下略)(じゃあお前が作れよ)。


というわけで今日は神流町恐竜センターレポートの最終回になりましたね。

ご紹介して来ましたように、神流町で発見された化石やモンゴルの恐竜たちに特化した内容でおススメです。アクセスは悪いので、行かれる際はご注意ください。

それじゃ👋

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