ムカワリュウの学名が Mukawa ryu になる夢を見ました。ケラトプスユウタです。
ムカワリュウがなんなのかわからない子は、今夏のかはくの恐竜展に行きましょう。わかる子も行きましょう。
前回までの記事を見てない人は、こちらをご覧ください。別に見ていただかなくても問題はないですけど。
じゃあお待ちかね、メインの展示室にあたるモリソンの恐竜コーナー。
オスニエリア・レックス Othnielia rex
決して華やかな展示物ではないですが、オスニエリアの全身復元骨格のマウントが至近距離で観察できるのは珍しいです。
補完された頭骨
二歯性があるのがわかります。
竜脚類 Sauropod の大腿骨。
ディプロドクス Diplodocus の大腿骨。
…こういう展示です。
現場で化石を保護するジャケットと呼ばれる物を作るための石膏か….なんかの缶があります。
上からアロサウルス Allosaurus の
第3末節骨(爪)、第1末節骨、歯
アロサウルスのマウント。
FHPR 1096
カンプトサウルス Camptosaurus の骨盤と尾椎。
竜脚類 ハプロカントサウルス Haplocanthosaurus FHPR 1106 の頸椎や前肢など。これは珍しい物です。
ハプロカントサウルスはモリソンにおいて最小級の竜脚類と言われ、不完全な骨しか見つかっていないですが推定全長は15mほどと見積もられています。
この論文によると、ディプロドクス上科 Diplodocoidea の基盤的位置付けでディプロドクス形類 Diplodocomorpha の姉妹群ですが、系統的位置付けには諸説あってコンセンサスは得られていないようです。
ステゴサウルス Stegosaurus のマウント。
それほど古い物には見えませんが、首が短すぎます。あと肘は横に張り出すべきらしいです。
わりと大きな個体です。
写真を淡々と紹介するのもなんですからたまには考察をば。
ステゴサウルスのような剣竜 Stegosauria の目立つ背中のプレートはよく体温調節用のラジエーターのような役割があったと説明されることが多いですが、少なくとも第一の用途ではなかったように僕は思います。
なぜかって言うと、表面に血管溝があるからです。
「血管溝こそ体温調節説を支持する証拠じゃないかよばかじゃないのか」と仰る意見もあるでしょうし、実際それが太陽光🌞が血液を温めていたという筋書きの根拠としてしばしば扱われていますけどね。
しかしですね、同時に血管溝の存在が支持するのは、このプレートが爪やクチバシみたいに角質に覆われていたという事もまあ間違いないと思います。
角質は構造的に普通の表皮よりも断熱性が高いことが知られています。要するに熱しにくく冷めにくい。
それに加えてステゴサウルスは森林棲の動物だったという説もあり、森林は陽当たりも風通しも悪いはず。
なのでプレートの主たるやくわりは性的なディスプレイや捕食者に対する威嚇だったのではないでしょうか。ただ鳥類の中にはクチバシで体温調節を行うものもいますし、二次的に体温調節に利用した可能性も十分あると思います。
それだけです。
続きます!