獣脚類 #8 / 空への適応

俄然すみませんが、【俄然】、【穿った】、【姑息】、【確信犯】を誤用してる人が多い。自信ない人は確認しよう! ケラトプスユウタです。

今回の記事でようやく鳥類を紹介できます。

近鳥類 Paraves からアヴィアラエ Avialae が派生し、そこから鳥類が誕生しました。要するに今まで紹介してきた獣脚類から鳥類が派生したわけではないです。

詳細不明の鳥類 Aves indet.

実物

足指は対向してないし竜骨突起も発達してないし前肢は保存されてないし尾は長いしかなり爬虫類じみてますね。

通称中国のシソチョウ シャオティンギア Xiaotingia

複製

ジュラ紀後期オックスフォーディアン期。

ドロマエオサウルス類 Dromaeosauridae、トロオドン類 Troodontidae 、アンキオルニス類 Anchiornithidae など人によって分類がはっきりしない動物です。

シソチョウ Archaeopteryx

ジュラ紀後期チトニアン期。

組立骨格にしちゃうと前肢以外はふつうの獣脚類ですね。

ジェホロルニス Jeholornis

実物

シソチョウが鳥類でないとすれば最古の鳥類。腹にあたる部分に植物の種子の化石(丸いやつ)があるということで植物食性だったと考えられています。

エオコンフキウソルニス Eoconfuciusornis

ホロタイプ 実物

尾椎の数が減り尾が短く進化した鳥類(パイゴスティル類 Pygostylia)の中で最古のタクサがコンフキウソルニス型類 Confuciusornithiformes で、その中でさらに基盤的なのがこの恐竜。

こちらもエオコンフキウソルニス

実物

羽毛印象のボサボサ感をお楽しみください。

コウシチョウ 孔子鳥 あるいはコンフキウソルニス Confuciusornis

実物

中国遼寧省の白亜紀前期アプチアン期の地層から数百個体分の化石が見つかっている有名な鳥。キャプションによると二本伸びる長い尾羽はある個体とない個体がいて、性差(性的二形)説と成長段階の差説があるそうです。

前肢に大きな鉤爪があることを除けばかなり鳥っぽいですね。歯も退化しているようです。

コウシチョウの生体復元模型。たぶん色は適当。オスだな(断定)。

サペオルニス Sapeornis

実物

首が長く胴が短い。

後肢にも翼がある4枚翼タイプの恐竜。

歯が数本残っていて胸骨が骨化していないなど原始的。

チョンミンギア Chongmingia

どうなってるかわかりづらいですが、四肢は確認できます。

キタダニカセキチョウ 北谷化石鳥

福井県勝山市の手取層(バーレミアン期かアプチアン期)産の鳥類。

日本産としては珍しくある程度パーツが揃っていて関節した鳥類の化石ということで大して注目されていない


こうした鳥類は現在生きている鳥類の直系の祖先だと勘違いしている方も多いと思うのですが、彼らも白亜紀末までには絶滅していて血脈は途絶えているんですよね。絶滅を免れたわずかな鳥類の子孫たちが現在僕たちが目にする鳥類というわけです。

まとめそうになりましたが次回が最終回です。

つづく!