MoS #1 COLOSSAL TRICERATOPS CLIFF

平時から欺瞞は溢れ返っている。ケラトプスユウタです。

今日はマサチューセッツ州ボストンにございます科学館(Museum of Science, MoS)に突入して行きましょう。

この科学館はもともとボストン自然史博物館 Boston Museum of Natural History という自然史系の博物館だったそうなのですが、第二次世界大戦後に改組され、名前も現在のシンプルなものになったらしいです。

五感をテーマにした様々な展示物があるのですが、ケラトプスユウタのお目当てはただ一つ……

『巨大な化石:トリケラトプス、クリフ』だ!!

クリフについてはすでに半リアルタイム日記にて、基本情報程度のことは紹介しています。

この記事の中で、「ボストン在住の匿名の誰かが、2007から7年間の期限付きで博物館に貸し出した」という旨を書いています。

これを読んだ方の中にはそのとき疑問に思った方もいらっしゃるでしょう。

「え? え? え? 期限から5年は経過しとるやん」と。

これ僕はさっき気づきました🤓

調べたところ、2015年6月に期限切れを迎えようというところ、所有者が「クリフはくれてやる。ただし85万ドル耳を揃えて持ってくればの話だ」と申し出てくれたそう(オークションで200万ドル以上で落札されているので良心的)。

この頃、ツイッターでは #KeepCliff というハッシュタグで募金活動も行われていたそう。

85万ドルが集まったのかどうか知りませんが、結果としてクリフは2020年4月現在もMoSに存在しています。

化石や恐竜に興味がない子たちからすれば、必要とされた金額は異常に思えるでしょう。

興味がある人たちでも、その大半はクリフほどの化石を購入する経済的余裕がないのは明らかです(そもそも研究・発表するわけでもないのに所有するなという話ですけど)。

またクリフ級の化石を寄付する人もそれこそクリフ級に珍しい存在でしょう。

一方、それが支払われなかった場合はアメリカの博物館の化石所有の概念に疑問を投げかけることになっていたかもしれません。

僕は実際にこのトリケラトプスが発見されたという幸運や発掘とプレパレーションにかかった時間と労力は言うまでもなく、クリフを様々な視点から見つめ、その者が生きていた頃にはどうだったのかを多くの人が考えることができるということ、そして自分がその一人になったことに腹の底から感謝しています。これほど勇壮な本物の巨魁を目の当たりにできる機会は、そうあるものではありません。

そしてこれこそが匿名の寄贈者が望んでいたことなのではないでしょうか。

それなのに、誠実と純真が尊ばれるトリケラトプス学という分野にありながら、クリフに対しては解答される事のない疑問が多すぎて僕は不安をおぼえます。角竜の骨の出所を知る上で当たり前のことですが、一般人には詳細が明らかにされていないのですよ。

発掘地、発見者、発掘者、発掘方法、最初の所有者、どういう経緯で売りに出されたのか、プレパレーター、タフォノミー、発見部位に関する詳細。化石売買という名のヘドロに晒されて今知られている以上の情報がこっちまで流れて来ません。

どうあれ、このトリケラトプスを公に共有することを許してくださったクリフの提供者に本当に感謝しています。そして、クリフの保存に尽力してくださった科学博物館の皆様、ありがとうございました。

(なんで青紫?)

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