日々これが最後のブログ投稿になるかもしれないと思って投稿してます。ケラトプスユウタです。
エリー湖から9時間かけてイリノイ州シカゴのフィールド自然史博物館に来ました。
今更ですけどこれ一人でやる事じゃないですよ!
9時間ですよ9時間!
偶然通ったんですけどこれ有名なトランプタワーですよね?
まあいいや。これがフィールド自然史博物館です👇
アメリカ自然史博物館とスミソニアン自然史博物館もそうでしたが、神殿のように立派な建物ですね。神殿のように。
日本では考えられないほど広々としたエントランスホール。
わりと最近までここに有名なティラノサウルス Tyrannosaurus の中でもまた有名なスー Sue が展示されていたのですが、別の展示室に移されています。
二頭のアフリカゾウの迫力ある剥製。よく見ると右のゾウの牙が左の個体を突いています。このような立派な牙をもつ野生のゾウは減り続けています。象牙製品を作るために立派な牙をもつゾウが狙われ、人為によって淘汰されているからです。なので野生下では遺伝子的に牙を持たない系群だけが残る事になると言われています。
スーの代わりに設置されたのがこのティタノサウルス類 Titanosaur。巨大竜脚類の前ではアフリカゾウも小さく見えます。
パタゴティタン Patagotitan でアメリカ自然史博物館のと同じキャストだと思いますが、マクシモ Maximo というニックネームがついてます。
パタゴティタン・マヨルム Patagotitan mayorum と書いてあるのは標本からやや離れたところにある実骨の前にあるキャプションだけで、足元の看板やポスターなどの他の媒体だと単にThe Titanosaur named Maximo (マキシモと名づけられたティタノサウルス類)としか書かれてなかったので、普通のアメリカ人は恐竜の属種は気にならないようです。それかティタノサウルス類(タイタノソー)の方がかっこいいからか。
左大腿骨(左)と左前肢要素(肩甲骨、上腕骨、橈骨、尺骨)
顔は撮りやすいように二階の通路の近くに。アーティファクトですけど!🤓
ネブラスカ州産のサイ類(ディケラテリウム Diceratherium)のボーンベッド。
このかた、SNSでもちょいちょい見かけますね。ケツァルコアトルス Quetzalcoatlus 生体復元模型。プロポーションは不確かですが、このくらい頭大きくても飛べるかもしれませんね。
飛んでいるバージョンもあります。ちなみにカフェの真上です。
化石の展示は各地質年代(紀のレベル)ごとにしっかりしたホールが設けてあって丁寧で、全ての年代において標本数が充実していました。ただし古生代の動物はその後の時代の動物と比べると体が小さい分、ボリュームでは劣っているように見えます(というか劣ってる)。
ダイジェストで紹介します。
ピカイア Pikaia
ヘリコプリオン Helicoprion
デボン紀の硬骨魚類 ホロプティキウス Holoptychius
スフェナコドン Sphenacodon
ディアスパラクトゥス Diasparactus なる…四肢動物。
古生代はこのくらいにして中生代へ。
これは珍しい。
クリオロフォサウルス Cryolophosaurus
補完されていない頭骨。
これ見ると出回っている復元頭骨は妥当っぽい気がします。頭骨は。
ブロントサウルス・エクセルスス Brontosaurus excelsus
これも珍しい。マダガスカルの竜脚類 Sauropod ラペトサウルス Rapetosaurus
幼体。これって、尾椎の一部を欠くだけで他は完全な骨格が知られてる個体ですよね?
それまで部分的な骨しか知られていなかったティタノサウルス類の復元の基準になったとかいう。
デイノニクス Deinonychus と手前はブイトレラプトル Buitreraptor
ティラノ不在の展示室中央で目立っているダスプレトサウルス・トロスス Daspletosaurus torosus (客観的事実)
ゴージャス・ジョージ(Gorgeous George)という愛称でゴルゴサウルス Gorgosaurus という別のティラノサウルス類っぽい名前ですが、当初はゴルゴサウルスと考えられていたそうです。そういう個体。
獲物はランベオサウルス・ランベイ Lambeosaurus lambei
パラサウロロフス・キルトクリスタトゥス Parasaurolophus cyrtocristatus
ユタ州立自然史博物館以外にもあるのね。
有名なわりに標本を見ないケラトプス類 Ceratopsid ありのままではないアリノケラトプス・ブラキオプス Arrhinoceratops brachyops
FMNH P15003 (キャプションでは15004)
図示されている通りの頭骨要素。
ペンタケラトプス Pentaceratops かなんかを参考にしたのかP1(第1縁頭頂骨)を造ってありますが、本当にアリノケラトプスだとすれば、おそらく誤った復元です。縁頭頂骨自体もアンキケラトプス Anchiceratops のようにギザギザしすぎ。
トリケラトプス Triceratops は何ですかこのありさまは!!
昨日も観たドイル(AMNH 5116 などのコンポジットに僕がつけたニックネーム)だからまだ良いものの。
そして当館のまぎれもない最大の目玉、スー。ホールが独立していて特々別々の待遇。
プロジェクションマッピングと音声を利用した展示解説など、面白くわかりやすい展示になっていました。
ここでトリケラトプス至上主義者に救いの角が!
トリケラトプス・ホリドゥス T. horridus
FMNH 12003
モンタナ州イカラカ Ekalaka とパウダーヴィル Powderville の間のランス層 Lance Formation 産(参考文献)。かつては「トリケラトプス・カリコルニス」“T. calicornis”という独自の種名が与えられていました。
バナナ型の太い上眼窩角がかなりかっこいいです。
鳥類化石はこの手のすごい保存状態の物が多数。大半は未命名です。
爬虫類や魚類も選りすぐりの化石なのがわかります。
メノドゥス Menodus なるティタノテリウム類 Titanothere。聞いたことないのでレアな感じがします。
地獄の豚ことアルケオテリウム Archaeotherium
いわゆる広義の恐鳥の一つ、アンダルガロルニス Andalgalornis。これも始めて見ました。
スミロドンやショートフェイスベアやケナガマンモスやギガンテウスオオツノシカやジャイアントバイソンなどお馴染みのスター化石哺乳類の面々。
しっかり見たら化石ホールだけで一日終わります。展示物の数で言うと幕張メッセの特別展級かそれ以上だと思います。
動物の骨格も相当充実しています。画像は鳥類に偏重してしまいましたが。
広い館内の4分の1くらいが剥製のホールなのでそりゃもうそういう事ですよ。
これらは地底探検コーナーの模型。小さくなって土の中を探検すると言うコンセプトで序盤はアトラクションのよう。甲虫の幼虫以外はアニマトロニクスです。動きます。
後半は真面目な土壌学の展示。
あと宝石、植物、古人類学、考古学などに特化したホールがありましたよ。(時間が足りず通過した程度)
スーをテーマにしてしまったショップ。
これは上の画像とは別の普通のショップですが、そこにもスーグッズ。
「Tレックスは腕立て伏せが嫌い」という前肢の短さをコケにしたグッズ。
マクシモのグッズもありました。
当館展示物が4000万点あるとのことで、1日4万点の展示物を見たとしても全て見るのに1000日かかる計算なのでそりゃ1日で見切れる道理がありませんよ。
でもケラトプス類の展示はたったの3点でそのうち1つはビニールに覆われてましたよ!😬
それはそうと、いくらなんでも画像が多すぎてしまうので、明日からは10枚くらいに絞って行きますのでご承知ください。レポートは後日やることですし。今回も止むを得ず載せられなかった写真はどこかに載せます。
じゃ、また明日👋
“10/9 ミシガン〜イリノイ(フィールド自然史博物館)” への1件のフィードバック