BYU #4 トリケラジジイ

ユニクロと聞くとモノクロニウス Monoclonius を連想します。ケラトプスユウタです。

モノクロニウスといえば、ケラトプス類成分が不足して口内炎が出来ているあなたには朗報です! 今回は数日ぶりに素晴らしいケラトプス類の標本を紹介できます。

クリーニングルームが見えるようになっているのはステキな博物館の指標。

キャプションではモノクロニウス・クラッスス M. classus でしたが、完全無欠のセントロサウルス・アペルトゥス Centrosaurus apertus

USNM 8897

鼻角が長くフックも発達していてカッコいい。セントロサウルスらしい高い吻も良いですね。

モノクロニウスといえば昔はトリケラトプスと比肩する代表的な角竜の名前だったようですが(僕はすでにその世代じゃないです)、ホロタイプが断片的で独自性が疑わしい名前(疑問名)として、顧みられる事がほとんどなくなった学名です。セントロサウルスのジュニアシノニム説が有力っぽいです。

みんな大好きプテラノドン・ロンギケプスPteranodon longiceps

キャプションではプテラノドン・インゲンス P. ingens

トリケラトプス・ホリドゥス Triceratops horridus

BYU 12183(今風に言うとMWC 7584)(“トリケラトプス・アルベルテンシス” “T. albertensis” のホロタイプ)

4/30追記:ホロタイプではなかったです。すみません。ホロタイプはNMC 8862 という標本だそうです。(ヒロくんありがとう!)

僕は親しみと尊敬を込めて勝手に「トリケラジジイ」と呼んでいます。

トリケラトプスとしては珍しいカナダ産(アルバータ州 スコラード層 Scollard Formation)

そういえば最大のティラノサウルスということになったスコッティもカナダでしたね。スコッティはサスカチュワン州ですけど。

トリケラジジイはトリケラトプスの頭骨としては史上最大のもので、金子隆一さんの推定では全長15mになる個体。僕は信じてませんが。

種はケラトプスユウタによる同定(吻の長さから。各角の長さがプロルスス的なのは老化によるものと判断)で、諸説あります。BYUのキャプションでもホリドゥスです。

かなり老成したトリケラトプスということで「トロケラトプス仮説」(当ブログで何度も出てきてますがトロサウルスはトリケラトプスの成体とする仮説)を否定する証拠となる標本の一つ。

歳のわりに補完されたホーンレットがはっきりしすぎてて違和感があります(若く見える)。アーティファクト部分はよく見ると滑らかになっているのでわかります。

あと眼窩の前が明らかに盛り上がって瘤みたいになっているのも注目です。これも老成したトリケラトプスの証。

(参考文献)

ヒト Homo sapiens とのサイズ比較🤓

(セルフタイマーで撮りました)

みんな大好き ティラノサウルス・レックス Tyrannosaurus rex

属以下はなんかわからないですけどティラノサウルス類 Tyrannosauridae

トリケラ、ティラノと共存した (4/30修正。80〜73mya) 巨大ワニ デイノスクス Deinoschus

ヒロくん、たびたびのご指摘ありがとうございます。

(参考文献)

これはたしかモササウルス類 Mosasauridae プログナトドン Prognathodon

プログナトドンの実物の下顎骨。

2014年に記載されたネスルン層 Neslen Formation (カンパニアン期)のハドロサウルス類 Hadrosauridae リノレクス・コンドルプス Rhinorex condrupus (参考文献)

グリポサウルス Gryposaurus にかなり近縁か同属と言われています。ちなみに両者は層序的に重なっています。


このシリーズでもトリケラトプスの話ができてよかったです。今日もありがとうございます。続きはまた明日!