恐竜復元教室 ヨーロッパの角竜編

何かを他の分類群呼ばわりすると大抵悪口という事になりがち。ケラトプスユウタです。

5月24日、表題の通り秘密の場所で開催された山本聖士さん(とG. Masukawaさん)の『恐竜復元教室 ヨーロッパの角竜編』に出席しましたのでレポートします。

フェレンケラトプス Ferenceratops やオイカケラトプス Ajkaceratops が禅の極意を悟ったミニマリスト角竜だった可能性が見えてきました。

早速行きましょう。

***

分類の混乱と再分類

  • 長年、ラブドドン類 Rhabdodontidaeとして扱われていたフランス・ルーマニアなどの部分骨格(特に頭骨・下顎・大腿骨など)が、2026年の論文で角竜類 Ceratopsia の特徴(骨盤、肩甲骨、閉鎖孔突起を欠く、歯の形態、頭骨の構造など)を持つことが報告された。
  • ザルモクセス・シキペロルム Zalmoxes shqiperorum などは複数個体の混合で、一部はハドロサウルス類 Hadrosauridae の混入があったが、核心部分は角竜。
  • ラブドドン類から独立したフェレンケラトプス Ferenceratops はホロタイプに基づき、プロトケラトプス Protoceratops 段階より派生的だが、ケラトプス類 Ceratopsidae ほどではない中間的位置。

体型

  • 小型(2〜2.5m程度)、短い胴体・広い腰・低めの姿勢で、哺乳類っぽい(特にイノシシやカピバラのような)がっしりした体型。
  • 前後肢の長さが比較的近く、四足歩行に適応。尻尾はプロトケラトプスほど長くない。
  • 頭は体に対して相対的に大きく頑丈だが、絶対的なサイズは小さめ。フリルはほとんどないか極めて小さい(筋肉付着部程度)。頭頂部が狭いという独自の特徴あり。
  • 鼻先・くちばしは角竜型だが、丸みを帯びた特殊型。デンタルバッテリーは未発達で、少数かつ大きな歯で硬い植物を処理。

生態

  • 硬い植物(シダ・ヤシ類・木の幹など)を強靭な顎と歯で物理的に破壊して食べるスペシャリスト。
  • 小型ながら優勢種だった可能性。穴掘り生活や低姿勢で大型肉食恐竜から身を守る戦略の可能性を指摘。
  • 穴居性において邪魔でしかない頭部の装飾は極めて退化的。
  • 羽毛の証拠は乏しく、温暖環境のためウロコ主体と推定。
  • さまざまな成長段階の個体の化石の混合が混乱を招いていた。

系統的位置付け

  • ズニケラトプス(Zuniceratops)系統に近く、アジア起源の角竜がヨーロッパに広がったものと考えられる。
  • フリルや角状の突起は二次的に退化したと考えられる。頭頂部が狭く、フリルの拡張もほぼない。
  • ヨーロッパの島嶼環境で独自進化したが、大型化には至らず小型のままニッチを確保。

復元上の注意点

  • 過去の復元(特にザルモクセス)はハドロサウルス類の混入でバランス崩壊。
  • 新標本により頭骨・骨盤・四肢の正確なプロポーションがわかり、低くてがっしりした角竜として描くのが適切。
  • くちばしや頭の細部はまだ議論の余地あり(特にフェレンケラトプスの鼻先)。

***

全体として、「ラブドドン類だと思われていたヨーロッパの小型植物食恐竜が、実は独自進化した小型角竜類だった」という再発見の興奮と、復元・生態の詳細が熱く語られた内容でした。

らえらぷすさんも長年の自作復元を振り返りつつ、新知見で大幅に修正した満足感を述べていました。

教室内で言及されたわけではないですが、角竜類のやや前を向いた眼窩やプシッタコサウルス Psittacosaurus 尾の毛なんかも穴居性適応だったんじゃないかと邪推が捗りましたね。

以上だばーろー。

コメントを残す