獣脚類 #3 / 羽毛恐竜の出現

うそつくやつだいたいうそつき。ケラトプスユウタです。

前回までのあらすじ: ケラトプスユウタはFPDMの企画展、獣脚類〜に行った。

はい。

これまでに羽毛の印象化石が見つかっている獣脚類は全てコエルロサウルス類 Coelurosauria に属していまして、おそらく最初のコエルロサウルス類の段階(キャプションでは手堅くティラノサウルス上科 Tyrannosauroidea とコンプソグナトゥス科 Compsignatidae の共通祖先の段階としていました)で既に羽毛が獲得されていたのではないかと思います。

荒木一成さんの手による生体復元模型が壁のクラドグラムに使われていたんです。そのうちの3体。上からオヴィラプトル類 Oviraptoridae、バリオニクス類 Baryonyichinae、ティラノサウルス Tyrannosaurus

ビケンテナリア Bicentenaria

発見部位のわかるありがたい骨格図もご査収ください。

こんな恐竜は始めて存在を知ったんですが、ティラノサウルス上科よりも基盤的なコエルロサウルス類だそうです。

3個体以上からなるボーンベッドから見つかったそうです。

鳥類はコエルロサウルス類から派生したと言われているので、わりと鳥に近づいて来ました。

こちらも聞いたことのない恐竜でした。

ズオロン Zuolong

新疆ウイグル自治区産(ジュラ紀後期オックスフォーディアン期)。派生的なコエルロサウルス類は大腿骨の近位端がほぼまっすぐ内向きであるところを、このズオロンはやや前方に傾くという事からかなり基盤的なコエルロサウルス類と見られているらしいです。

アオルン Aorun

こちらも新疆ウイグル自治区のオックスフォーディアン期のコエルロサウルス類。生後1年未満の幼体だそうです。

年代はズオロンと同じで古いですがティラノサウルス上科よりも派生的で、より鳥に近い位置付けらしいです。

チュウカリュウチョウ(中華竜鳥)(標準和名だと勝手に思っているのでカタカナに) またの名をシノサウロプテリクス Sinosauropteryx

シソチョウを除いて初めて羽毛の化石が確認された非鳥類型恐竜として有名。色素細胞の研究がされた関係で最近では赤茶色と白の模様でしか描かれなくなりましたね。

鳥類が獣脚類から派生したという事実が認知されるようになった大きな要因がこのシノサウロプテリクスの発見です。それまでシソチョウ Archaeopteryx 以外の恐竜に羽毛が生えていたと思っている人はほとんどいなかったか、いても無視されたかでしたが、この発見か次から次へと羽毛を纏った獣脚類の化石が報告されるようになり、その他の現生鳥類との共通の特徴なんかも知られるようになって来たと言うのが今日紹介した標本たちの展示趣旨でありました。

これからずっとコエルロサウルス類が出ずっぱりです。レポートが終わるまでお付き合いください。

つづく…