

ケナガマンモスの毛 Mammuthus primigenius
キャプションにはMammoth HAIR muthus primige という呪文が書かれています。
化石の定義上、鉱化してフレッシュなものだけではないことを説明する上で最適な展示だと思います。

モササウルス類 Mosasauridae
歯といい足(ヒレ)といい全体的にすごい事になっており、いろいろ加工されているようです。
博物館では珍しいかもしれませんが、華やかな化石ビジネスの一コマとして勉強になります。

獣脚類 Theropod の卵化石
キャプションではタルボサウルス Tarbosaurus とされています。確かにネメグト産のこの手のマクロエロンガトーリトゥス Macroelongatoolithus は伝統的にはタルボサウルスのものとされてきたのかなと思いますが、今日では大型オヴィラプトロサウリア Oviraptorosauria のものとされているはず。違ったら詳しい方教えてください。
おそらくミュンヘンショーでタルボサウルスの卵として売られていたものでしょう。

ランフォリンクス Rhamphorhinchus の交連骨格
板状に保存された化石動物を立体的に復元しましたよという展示。ここでは化石の変形について触れられていて、生物が生きていた時の姿のまま化石になるとは限らない事を伝える展示になっていました。
ちなみに展示では「石板化石」という言葉が使われていました。この言葉も化石販売・コレクションの文脈ではしばしば使われますが、板状の母岩ごと保存された化石を指す便宜的な名称で学術用語ではないはず。
***
以下、東京都・千葉県を中心とした日本の化石コレクション。化石といえば地方ひいては海外というイメージをもたれる事もあるかと思いますが、身近なところにも化石産地があるんだよという、本展きっての誠実な展示と言えます。現生種が多いのも良いですね。
なお僕は愚痴につき同定できないので以下のギャラリー上のキャプションは実際の展示に従います。
ただふりがなの誤字が多かった。












集めるの大変だったでしょうね。一般向けイベントでは海外産の有名恐竜に偏ることも多い中、日本各地から産出した貝などの化石を紹介していたことで、「日本にも古生物学の魅力がある」ということを伝えられる、良い構成だと感じました。

それほどお馴染みでもないパレオサイエンス所蔵のテラトフォネウス Teratophoneus

仕事仲間の剛さんこと原嶋剛慎さんのフクイラプトル Fukuiraptor のなんか後ろで操って動かせる模型。今までにみたフクイラプトルの中でもトップクラスの美形です。まあ頭骨は不完全ですが。大きさ的にも良い選択ではないでしょうか。

これはお馴染みスタン STAN
ちなみにTCA東京ECO動物海洋専門学校・恐竜自然史専攻の学生さんたちと一緒に設営に参加したり妨害したりしたのですが、そのために夜11時から朝6時までかかりました。
子どもたちがこれだけ近い距離で有名な標本のレプリカを見られる機会は現在の東京では貴重ですし、迫力が十分に伝わる素晴らしい展示だと感じました。
天井が低い分、大きさも際立って迫力もあるのではないでしょうか。






メインの展示だけあり解説が相対的に手厚いです。

よくミネラルショーなどでパレオサイエンスさんが扱っている樹脂製の恐竜の爪節骨(末節骨)レプリカたち。前肢と後肢が混在しているのが気になりましたが、子どもが触って考える余地のある展示は考えられていると思いました。


展示を一方的に見るだけではなく、自分で参加することでアンキロサウルスの行動生態への興味を引き出せる工夫ですね。

ちょっと大人びたマイアサウラ Maiasaura のハッチリングでしょうか。かわいいですね。

そういえば顕生代って便利な概念ですよね。ほとんどの生物がティラノサウルスと同じ時代に生きていたと言えます。
立地と規模を考えれば、展示そのものは楽しく、子供たちが古生物学に興味を持つきっかけとして素晴らしいイベントだと感じました。
それじゃ👋
***
参考文献:
Weishampel, D.B., Fastovsky, D.E., Watabe, M., Varricchio, D.J., Jackson, F.D., Tsogtbaatar, K. and Barsbold, R. (2008) ‘New oviraptorid embryos from Bugin-Tsav, Nemegt Formation (Upper Cretaceous), Mongolia, with insights into their habitat and growth’, Journal of Vertebrate Paleontology, 28(4), pp. 1110–1119. doi: 10.1671/0272-4634-28.4.1110.
