栃木県立博物館

ブロガーの使命は真実を示す事じゃない!記録を残す事だ!ケラトプスユウタです。

予告通り栃木県立博物館のレポートやります。

JR宇都宮駅から関東バス市内線で『中央公園博物館前』バス停下車、徒歩8分です。

一般観覧料は260円です。

その他の基本情報は公式サイトをご覧ください。

栃木県中央公園という公園の中にあります。

清潔感のあるエントランス。プテラノドンの生体復元模型が出迎えます。

通路脇に特別天然記念物ニホンカモシカ Capricornis crispus 剥製。

威厳のある佇まい。

栃木県内では日光国立公園、那須岳周辺で比較的確認例が多いそうです。

いつもそうなのかわかりませんが、展示台ではなく床にこんな感じで標本が広げられているところがありました。地質時代も系統関係もばらばらでヴンダーカンマー的な展示です。

きれいなウミサソリ Eurypterida

ミクソプテルス Mixopterus ? 違いますか。

キャプションには産地も年代も書かれていません。

古生物の展示室。いくつかの恐竜が目立っています。

ティランノサウルス・レクス Tyrannosaurus rex 頭骨

AMNH FARB 5027 のキャストですね。アメリカでも日本でも、古い博物館のティランノサウルスはAMNH 5027 である事が多いです。

プシッタコサウルス・モンゴリエンシス Psittacosaurus mongoliensis

いろいろ言いたいことはありますが、とりあえず尾椎が上下逆なので直した方が良いと思います。

セントロサウルス・アペルトゥス Centrosaurus apertus

セントロサウルスの中でも特に鼻角が長く太くまっすぐであることから大変な人気を誇る AMNH 5351 のキャスト。

本種は角竜の中でもメジャー中のメジャーですが、日本でちゃんとした資料として展示されている施設は僕の知る限り片手ほどもありません。

キャプションではモノクロニウス Monocronius 名義となっており、「モノクロニウスは将来セントロサウルスに内包されるかもしれない」という主旨のことが書いてありますが、この展示は「セントロサウルスをモノクロニウスとして」扱っていて、やってる事が逆です。

ややこしいのですが、モノクロニウスはホロタイプが断片的すぎてセントロサウルスなど他のエウセントロサウラ Eucentrosaura と区別できる特徴がない一方、セントロサウルスと同一かどうかも検証ができないという状況で、しかも歴史的には、多くのセントロサウルス標本がモノクロニウスに割り当てられていたため混乱が生じました。

カマラサウルス Camarasaurus

成長段階の異なる2個体分の頭骨。大きくなるにつれそこまで劇的に変化しない印象ですが、こどもの方が相対的に外鼻孔が大きいところが典型的マクロナリア Macronaria っぽさを感じます。

ステノプテリギウス Stenopterygius

これもそうなんですが、日本でよく見るステノプテリギウスって細長いイメージですけど、USNM V2409 にしろ AMNHのやつにしろもっと胴体はフナのように前後が短く、上下の高さがあって尾がずらっと長いイメージなので、属レベルで違うんじゃないかと一人で疑ってます。

ステゴサウルス Stegosaurus

姿勢はレトロですが、さすがにサゴマイザーは二対でした。

アロサウルス・フラギリス Allosaurus fragilis

体を持ち上げ、威嚇しているのでしょうか。

バンダイのプラノザウルスのようなアロサウルス。

これ特注品のように思うのですが、普通のマウントより安いのでしょうか?

これは見てはいけないものなのかもしれませんが、無粋なケラトプスユウタは世界に流布します。

実際、これを一目見ようとここを訪れる恐竜ファンは少なくないでしょう(確信)。

驚いたのがこの図です。カメが無弓類なのは驚くほどではないですが、「広弓類」という聞いたことのない概念があったり、鳥類が単弓類から派生していたり、Archosauria の和訳として「祖竜類」が使われていたりと、ノスタルジーを感じるどころか四肢動物研究史にこんな一幕があったことを知らなかったので戦慄しました。50年後の我々の常識も未来人にこうやって驚かれていると良いですね。

これがよくわからないのですが、県内の橋の建設工事中に見つかった「オオガネクジラ」と呼ばれる骨たちで、ヒゲクジラの一種らしいです。つまり栃木県にも海はあるという事なんですよ。

マンモスの牙

この細長さで実際に種内闘争で使っていたわけじゃないですか。だからトリケラトプスの角が飾り(闘争には使われない)とかいう主張がいかにそれらしくないかという思いでいっぱいです。

ステファノリヌス・キルクベルゲンシス(ニッポンサイ) Stephanorhinus kirchbergensis

今シーズンだけで三度目の紹介ですが、しばらく紹介する事はないでしょう。

ナウマンゾウ Palaeoloxodon naumanni の御前を無断で通過するステファノリヌス。

このナウマンゾウのマウントはパーツによって色分けされており、見た感じグレーの部分が発見部位で黄色みがかっている部分は未発見部位のようです。

あと葛生化石館のナウマンゾウより体が大きくてタスクも長いように見えます。

ヤベオオツノジカ Sinomegaceros yabei

栃木県においてはこの3種はセットなのでしょうね。

ヤベオオツノジカのマウントもよく見ると発見部位(四肢要素の一部)が化石っぽいテクスチャーになっていて、未発見部位が白に近い色になっています。アントラー出てないんですね。

これは別の展示エリアです。

この化石はキャプションによると、遼寧省産の羽毛恐竜でドロマエオサウルス類 Dromaeosauridae と書かれていますが、どんなに基盤的なドロマエオサウルス類でも理屈の上ではシックルクローは備えているので多分別のグループではないでしょうか?

尾は横突起と血道弓で棒状になっているところはドロマエオサウルス類っぽいですが。

あと左右の脚(特に大腿骨)の長さが違いすぎるのが気になります。

リアオシオルニス(リャオシオルニス)・デリカトゥス Liaoxiornis delicatus

全長10cmという小ささにも関わらず、かなり完全に近い美しい化石ですね。

遼寧省の熱河生物群のエナンティオルニス類 Enantiornithes の孵化直後のヒナだそうで、シノルニス Sinornis やカタヨルニス(カタイオルニス) Cathayornis の幼体という説が提唱されていて、ルイス・キアッペ先生は疑問名とすることを提案しているみたいです。

ちなみにキャプションは学名のスペルミスってました。

ブラジル産のメソサウルス・テヌイデンス Mesosaurus tenuidens

キャプションでは M. brasiliensisとなっていますが、現在では産地に関わらず M. tenuidens 一種に統合されています。まあ今後また変わるかも知れませんが。

あと「南アフリカとブラジルだけで見つかっている」とありますが、実際にはウルグアイとアルゼンチンからも見つかっています。

総合博物館なので文化財系の資料もけっこうありました。これ埴輪らしいです。

ミミズク型土偶の「みーたん」

乾燥行きます!間違えた。感想です。

いきなり昭和の博物館展示みたいなのが広がってて、映画のセットみたいでした。「モノクロニウス」とかステゴサウルスとかアロサウルスとか、全部「昭和の恐竜図鑑」という感じなんですけど、昭和最末期生まれのケラトプスユウタからするとノスタルジーというよりテーマパークの世界という感じです。横浜ラーメン博物館の作り込まれた昭和の路地みたいな感覚に近いです。

美しいレプリカが並んでるのも面白いですが、個人的には「昭和の博物館を歩くアトラクション」という感覚で楽しかったです。

でもキャプションは更新した方が良いと思います。

帰りにいただいた日高屋の肉野菜炒め定食。

以上です。

それじゃ👋

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参考文献:

* Chiappe, L.M., Ji S. and Ji Q. (2007). “Juvenile Birds from the Early Cretaceous of China: Implications for Enantiornithine Ontogeny.” American Museum Novitates, 3594: 46pp.

* Modesto, S.P. (2010) The postcranial skeleton of the aquatic parareptile Mesosaurus tenuidens from the Gondwanan Permian. Journal of Vertebrate Paleontology.

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