アイスクリームをアイスとは略さない主義だけどバニラアイスクリームはバニラアイスと略す主義。ケラトプスユウタです。
アメリカ自然史博物館には2020年1月現在のところ、「生物多様性と環境」、「鳥類と爬虫類と両生類」、「地球惑星科学」、「化石」、「人類と文化」、「哺乳類」などテーマごとにホールがクラス分けされています。前回から紹介しているのは「化石」であるわけですが、その中に小分類として「オリエンテーション・センター」、「脊椎動物の起源」、「竜盤類」、「鳥盤類」、「化石哺乳類」、「マンモス」のホールがあります。
つまり地質年代よりもクレードを重視したタイプの展示様式で、福井県立恐竜博物館と同じですね。
でもって今日紹介するのは「脊椎動物の起源」です。
原索動物や脊索動物の展示を経て、基盤的脊椎動物である軟骨魚類からスタートです。
これは……なんらかの軟骨魚類、たぶんサメだと思います。大部分は骨によって支持されていないわけなので、この太い針金のフレームで全身の輪郭が作られています。ロイヤル・ティレル古生物学博物館のボレアロペルタなんかも未発見部位がこの方法で補完されていましたね。
ジュラ紀の新板鰓類 Neoselachii
二つとも異様に保存がきれいなエイたちです。
見た感じの形質は、現在のエイとの大きな差はないですね。
現在生き残っている軟骨魚類はすべて新板鰓類らしいです。大半の軟骨魚類はこれまでに絶滅したんでしょう。
これは有名なメガロドン Carcharocles megalodon
ヒボドゥス Hybodus
白亜紀の海では普通に見られたと言われるサメです。頑丈な脳函、厚みのある背びれ、よく発達した肋骨などサメとしては変わっています。
ヒボドゥスの生体復元模型。こうやってよーく見ると、頭の後方に一対の短い突起があります。これはオスの特徴だとか。
鱗がほぼ完全に保存されたレピドテス・マクシムス Lepidotes maximus
お馴染み、化石硬骨魚類のスター、ジファクティヌス Xiphactinus
ジファクティヌスの組立骨格。
両生類に進みまして、ブエッテネリア Buetteneria
三畳紀の北米で最大の分椎類Temnospondyli の一つとして知られています。頭骨だけニューメキシコ自然史博物館編で紹介しましたが、こんな姿だったんですね(両生類として特に不思議な姿ではない)。
「両生類界のワニ」、エリオプス Eryops
(まあ分岐学的にはワニも両生類ですが)
マストドンサウルス Mastodonsaurus 生体復元模型(たぶん)。
ペルム紀のブーメランアイドル、ディプロカウルス Diplocaulus 成長段階別の頭骨。
幼いものほど横の張り出しが小さく、成長するにつれて長くワイドになるらしいです。面白いですね。
ていうか鼻孔はないのか…?
脊椎動物の起源ホールは次回へ続きます。
それじゃ👋