のんほいパーク #2 エドモントサウルス展示室

学名の日本語表記で迷うことはない。ケラトプスユウタです。

てことでね! 差し支えなければ、今日はのんほいパークのレポート2回目をやります。

今日紹介するダイナソーは、カモハシ竜の最派生エドモントサウルス・アンネクテンス Edmontosaurus annectens !

トリケラトプス、ティラノサウルスに比肩する白末の代表的な動物であるにも関わらず、目立つ武器がないためか彼らに比べてメディアへの露出が少なく、明らかに冷遇されておられる(映画『ジュラシック・ワールド』のシリーズ2作ではカモハシ竜自体が影も形も登場しません)(てかハドロサウルス類の中でもパラサウロロフス、マイアサウラなんかの方が人気っぽい感触がある)

ですがこののんほいパークではエドモントサウルスの為だけに設けられたホールがあり、実物も展示されていて珍しく丁重な扱いです。

カモハシ竜は「カモノハシ竜」とも言いますが、duck billed dinosaur の訳としては哺乳類の「カモノハシ」ではなく鳥類の「カモのクチバシ」の意味になるので、「カモハシ竜」の方がよりダイレクトかと思います。まあ名前なんてただの記号だしどっちでも通じるのでどっちでも良いんですが。

ついでに「カモハシ」と呼ぶのは解剖学的にはあまり言い得て妙じゃないです。彼らはたしかにカモのように広く平らなクチバシをもっていますが、先端は下向きにカーブしていて刃物状になっています。生体では角質に覆われて更に鋭い形状だったと言われています。

口の奥はさらにカモとはかけ離れていて、機能歯と大量の予備の歯が鈴なりに並んだデンタルバッテリーという構造をもち、非常に優れた咀嚼機能を持っていました。このことはほとんどの博物館のキャプションにも書いてありますし、図鑑にも必ず書いてあるはずなので恐竜をかじった事がある人はよくよくご存知でしょう。

ちなみに多くの恐竜の歯は2種類の組織でできていますが、哺乳類のウシ類の歯は4種類の組織でできているそう。組織によって硬さが違う為、使っているうちに硬さに応じた凹凸ができます。その凹凸が植物を咀嚼する際に効率的らしいです。そんな中でエドモントサウルスの歯はなんと6種類の組織で構成されていて、通常の恐竜どころかウシのそれすら超えているんだとか(参考文献)。

ケラトプス類 Ceratopsid と同様、咀嚼機能を高めた結果、植物食恐竜としてはそこまで大規模な内臓を持たないという進化を遂げ、後期白亜紀ワールドに完璧に適応しました。

このマウントは実骨を含んでいます。

サウスダコタ州フェイス ヘルクリーク層 Hell Creek Formation (約6700万年前)

チャールズ・スタンバーグが発見したエドモントサウルスの凄まじいミイラ化石のレプリカ。福井県立恐竜博物館編でも紹介しました。

実物はドイツのゼンケンベルク自然博物館所蔵だったはず。

前肢周りの要素を保存した産状。

エドモントサウルスのようなハドロサウルス亜科 Hadrosaurinae とは別の進化をした、つまり頭に派手な装飾を発達させたカモハシ竜のクレード、ランベオサウルス亜科 Lambeosaurinae (パラサウロロフス Parasaurolophus)

左はヒパクロサウルス Hypacrosaurus、右はランベオサウルス Lambeosaurus

エドモントサウルス頭骨。いわゆるアナトティタン型。

アナトティタンについては過去にブレイン郡立博物館編で記事を書いてます。

ランベオサウルス亜科を見ると、エドモントサウルスの頭骨には一切飾りめいたものが無いように見えます。エドモントサウルス至上主義者なら一切無駄がないと言うかもしれません。ですが、エドモントサウルス・レガリス E. regalis のミイラ化石からの情報で肉質のトサカがあったことも示唆されています。

現在の化石資料からするとランベオサウルス亜科は白末までは生き延びることができず、エドモントサウルスやサウロロフスのようなハドロサウルス亜科が最後のカモハシ竜となったように思えます。

今日もありがとうございます。

それじゃ👋

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