恐竜復元教室パキケファロサウルス編

何事も無かったかのように帰国しました。ケラトプスユウタです。

今日は9月22日とひと月以上前の山本聖士さんの復元教室のレポートです。表題の通りパキケファロサウルス(以下パッキー)が主題でした。


サンディー(国立科学博物館で展示されているパッキー)は既知のパッキーの標本の中で一番保存状態が良いけど頭骨が潰れている。

後ろの方がボコボコで頭頂部がでかいドーム状。

AMNHの頭骨標本は長さ60cmくらいでデカイ。サンディーはその半分ほどでサイズが全然違う。ドームの大きさも差がある。

ステゴケラスは後頭部の張り出しがあるが、成長すると上側頭窓を閉じるようにドームが発達する。

ドームは皮骨と頭骨でできている。密な構造でかなり重い。

二足歩行で前足が短い。肩帯も知られている限りでは小さい。サンディーの肩甲骨はアーティファクトだがゴツく作りすぎかも。手は恐竜界で1、2を争う華奢さ。5本指で復元されるが、指の骨は未発見。

屈んだ時にも前足は地面につかないと思われる。

胴体が太い。胴と腰、尾の付け根が明らかに広い。ホマロケファレでもステゴケラスでもこういう情報が出ている。二足歩行で腰幅を広くすると歩くたびにた腰を振る動作が生まれるので、腰幅の広い二足歩行動物は珍しい。歩いている時は足を体の真下に持ってくるのが理想なので、二足歩行で腰幅が広いことはあまり有利な事ではない。カモもそうだが彼らは飛べるのでな。

腰を大きくしたい恐竜のほとんどは早い段階で四足歩行になっている(ケラトプス類は四足歩行になってから腰が大きくなった)。

テスケロサウルス(下の画像)も胴の幅は樽のようで全体的に長くなっているが、腰幅はそんなに広くない。

歯は木の葉型のシンプルな構造。食物の大部分は胃と腸で分解した。

ヘテロドントサウルスの段階で既に咀嚼できる歯をしているが、パッキーは退化させている。

哺乳類は口以外で物理破壊できないが、多くの爬虫類はスナギモを持っている。その中で咀嚼機能を高めたハドロサウルス類やケラトプス類が成功したのは謎(恒温動物は普通、大型化すると次々餌を摂る必要があるので長々咀嚼していられない)。

パッキーは尾の付け根の下にまで内臓がおさまっていたのかもと言われている。

尾大腿骨筋を斜めに引くことにならないように(真後ろに引けるように)、尾の横突起が横方向に伸びている。腹の拡大に伴って拡大されたスペースめいっぱいに尾大腿骨筋が入っていたわけではない。尾大腿骨筋は他の筋肉の間に差し込まれている。

尾は付け根は太いけどそれ以降は比較的断面の薄い構造。

マグロのビヨンビヨン筋肉の間の腱が骨になっている感じ。鳥盤類には広く見られる構造だが、存在する位置が微妙に違う。左右に動かさないところに発達しがち。筋肉で支えずに済むようになっている。

爬虫類は新生個体も成体もウロコの位置は変わらない。頰トゲはパキケファロサウルス類共通の特徴ではなくパッキー固有の特徴。

頸椎が頭に対して鋭い角度で関節している。ケラトプス類と同じで普通の姿勢では鼻先は少し下を向く。

首の筋肉の付着点が発達しているので、首は太かった。ドームは小型の皮骨の集合体で、種内競争用の武器。雌雄差があったかどうかは不明。

サンディーはトゲの表面が粗くなっているので生体ではトゲは角質で延長されそう。

成長するとトゲはドームに埋もれつつトゲ自体も小さくなる。

ステゴケラスはマズルのドームが発達していて顔が短く見える。クチバシのつく場所が小さいので大きく描いたらいかん。

頬はいらない。

どの部分がドームとして大きく発達しているかは属種によって違う。パッキーのドームは明確にどの骨と言いづらいが、頭頂骨と言われている。

下顎のふちもパッキーは突起がある。口先にトロオドン類に似た鋭い歯が2本ずつ生えている。むき出して見えた可能性もある。その歯には明確なセレーションがある。

内鼻孔は前方から比較的広く開いている。かなり肋骨が側方に広がっていて、断面の丸い胴体をなさっている。

肋骨が脊椎とくっついていて珍しい。

横突起の関節がギザギザしている。ここまで明確な化石証拠が出ているのはホマロケファレだけだが、パッキーもそう大きくは変わらないはず。

指はもしかしたらアベリサウルス類のように役に立たないものだったかもしれない。普通の鳥盤類の手を小さくしたような手として描くのが無難。とりあえず退化器官だった。

胴体は胸だけが狭い。

坐骨が先端で関節していてその途中までは結構開いている。第四転子は大腿骨の中程に存在。

走る脚は残しているが、体重を支えるために他の鳥盤類よりも短くなっている。

足指は四本だが、第1趾は小さく、接地しない。

二足歩行は、初速でバランスを崩し易いので四足歩行より速い。

二足歩行で足を速くしようと思ったら長くするのが手っ取り早い。

四足歩行動物は背中をバネにできる。

パッキーは足先が長くないので、ぬかるんだ場所に住んでいたわけではなさそう。

長い尾は腰の左右のぶれを打ち消す機能がある。

アジア系のパキケファロサウルス類の方が脚短め。

ステゴケラスは他の堅頭竜より脚が長いので原始的な形質かもしれない。

パッキーは俊足の肉食恐竜の時代の動物なので、走って逃げるのは不得意だったはず。

ハドロサウルスの爪の様子はサイの蹄に近いんじゃない? パッキーの爪はどっちかと言うと鳥に近く完全な蹄ではない。

以上だばーろー。

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