外国人はよく日本のことを美しい国と表現しますが、「美しい」は国を褒める時の常套句なので日本ばかりが特別美しいと思われているわけではないので注意。ケラトプスユウタです。
今日はまずコロラドスプリングス近郊のガーデン・オブ・ザ・ゴッズ Garden of the gods へ行きました。「神々の庭」という意味ですね。
神秘的な奇岩の山があって、そんな名前をつけたくなるのもわかるような自然公園です。
トライセラトップス・トレイルと同様の赤色の堆積岩で、ローズクオーツの原石もたくさん落ちてます。
中生代の地層があり、かつてはジュラ紀のモリソン層 Morrison Formation だと思われていたのですが、実際は白亜紀前期のパーガトイア層 Purgatoire Formation らしいです。
断片的な恐竜の頭骨要素も発見されていて、カンプトサウルス Camptosaurus だと思われていたのですが、2007年にイグアノドン類 Iguanodontid の新属新種(テイオフィタリア・ケルリ Theiophytalia kerri)として記載されたとのこと。
ちなみにテイオフィタリアという属名は神々の庭を意味します。
次にこのロッキーマウンテン・ダイナソー・リソース・センター Rocky Mountain Dinosaur Resource Center に突入しました。
入館料は一般成人11ドルです。
のれんをくぐって最初に目に飛び込んで来るのはこの2体の恐竜で構成されたマウント(!)
ティラノサウルス類 Tyranousaur (ダスプレトサウルス Daspletosaurus) がケラトプス類 Ceratopsid 幼体(未命名のナストケラトプス族 Nasutoceratopsini、通称エヴァ Ava)を咥えて殺しているところです。思わず「すごっ」と言ってしまったのも無理はないダイナミックな復元骨格ですね。
ダイナミックな展示は良いのですが、欲を言えば希少なエヴァはもっと観察しやすい展示はにしてほしかったです。ケラトプス類でもよりによってなんでエヴァを持ち上げちゃうかな。
その代わりの措置なのか、エヴァの頭骨の3Dデータが見れました。テクスチャーが緩いですが、ケラトプスユウタごときには十分なんですかね。
エヴァは当初アヴァケラトプス Avaceratopsだと思われていた為、そのままの愛称が付けられたのですが、紆余曲折ありまして新属新種ではなかろうかという事になっています。
目の上の角の先がだいぶ内向きなのがエヴァの特徴です。
続く標本も激レア復元頭骨。
未命名のカスモサウルス亜科 Chasmosaurinae
通称ケヴィン Kevin
アンソニー・マルティーズ Anthony Maltese さんがケヴィンを造ってるのをSNSに上げていたので注目していましたが、現物を見れて感激です。
マルティーズさんを信用するなら、アグジャケラトプス Agujaceratops のように目の上の角が後方に反ったまま成長し、縁頭頂骨が前側に折れ曲り(様子は違いますがヴァガケラトプス Vagaceratops(カスモサウルス・イルヴィネンシス Chasmosaurus irvinensis)、スピクリペウス Spicrypeus に通じる)、ハート形の(正中線上の縁が深くえぐれたような)頭頂骨の持ち主という独特のコンビネーションを持ったカスモサウルス亜科ということになります。
ダコタラプトル Dakotaraptor の復元骨格なんてこの世にあったんですね。
エドモントサウルス Edmontosaurus のリトルジョン Little-John
お馴染みティラノサウルス Tyrannosaurus のスタン Stan
ワニのなかま(プレストスクス Prestoschus )(かはくのよりちゃんとしてます(脚が))
ナノティランヌス Nanotyannus またはティラノサウルスの子ども、ジェーン Jane ではないらしいですけどジェーンで補完してそう。
プテラノドン Pteranodon ってこんな巨大な個体見つかってるんですかね。ウイングスパン10mくらい。
誰が見ても圧巻なのはこの展示室。
モササウルス類やクビナガ竜類、魚類、カメ類など主に中生代の水棲動物の復元骨格が大量に吊るしてあります。数えてないですが20体は下らないです。
ジファクティヌス Xiphactinus やサウロドン Saurodon のような平面的に保存された化石生物も特殊な技術で立体の復元骨格に。このジファクティヌスはフィリップ・J・カリー博物館でも見ましたが、ここが世界で始めて展示した施設らしいです。
サメのなかま、クレトキシリナ Cretoxyrhina の全身骨格。歯はたまに見ますがこんなに大きいとは思ってませんでしたよ。
まだありますがここではこのくらいにしておきましょう。
言い忘れてましたが展示解説付きのツアーがあって、おもしろいし入館料に含まれているので参加をお勧めします。
次はユタ州に向かいつつコロラド西部のドライ・メサ発掘地 Dry Mesa quarry を目指しました。
ドライ・メサ発掘地はモリソン層 Morrison があり、アロサウルス Allosaurus やステゴサウルス Stegosaurus やアパトサウルス Apatosaurus のようなモリソンの普通属(メジャー恐竜)に加えてトルヴォサウルス Torvosaurus、スーパーサウルス Supersaurus、ケラトサウルス Ceratosaurus なんかも産出しています。
要するにジュラ紀のいろんな動物の骨が見つかっているんです。
道はどんどん荒涼としてきます。
マルーンレイク Maroon lake という美しい湖。
25メサ・ロード 25 Mesa road という道路です。このような絶景が観れるのでコロラドから西へ行く際はおすすめのルートだと言おうとしたんですが、道は舗装されていないし片側が切り立った崖や急斜面になっているところがありガードレールがないので結構危険なので次回があるなら僕は避けますね。あと辺鄙すぎてカーナビの電波が不通になります。
そしてカーナビに頼っていたせいでドライ・メサの発掘地を通過してしまいましたよ。
「いかにも化石がありそうだな」と思う場所はあったんですが、なまじ日没前に着こうと急いでいたのが仇となりました。
気づいた時は片道1時間半かかる距離になっていました。引き返そうにもガソリンがすでにジリ貧だったので断念🤮(まあジュラ紀だし良いか)
黄昏時も美しいのですが…
この逆光が嫌いです。カーブの手前だと目眩しになって非常に危ないです。砂利道でハンドルも取られるし、対向車などの条件が重なったら死にますね。
あとこんな感じでウシに何度も遭遇しました。放牧場の一角なのか脱走したのか。いちいちバイソンかクマかと思って期待しますよね🤓
ユタ州モアブ Moab に着いたのは午後9時でした。長いドライブになりましたがきれいな天の川が見れたので良しとします。
今日もありがとうございます。