水はエレメントではない。化合物だ。ケラトプスユウタです。
さて!名古屋港水族館レポート4回目です。
早速行きましょう。
※本記事にはチンアナゴの写真が含まれます。苦手な方はご留意のうえ閲覧いただけますと幸いです。

テングハギ Naso unicornis とカスリハタ Epinephelus tukula
「赤道の海」と呼ばれる展示エリア。建物を一階から三階まで貫く大水槽があり、グレートバリアリーフを再現しているそうです。
サンゴ礁で暮らす生き物の美しさがよく演出されています。

これはクビレヅタ Caulerpa lentillifera を撮りたくて撮った一枚。クビレヅタは「うみぶどう」という流通名で知られるイワヅタ類 Caulerpaceae ですが、こうやって下から生えている様子を見るとブドウ類 Vitales とは似ても似つかないですね。

プテラポゴン・カウデルニィ(アマノガワテンジクダイ) Pterapogon kauderni
テンジクダイ類 Apogonidae の中でこの種だけが熱帯魚店等で目立っているのは、このタクサが本来持っている形態の地味さを裏切っているからですね。それもサンゴという隠れ場所があるからこそ実現した裏切りと思うと面白いです。
本種は通常、オスが卵を口内保育をするそうですが、ここのオスは育児放棄をした為、ペットボトルで卵を保育したことが説明されていました。

コンゴウフグ Lactoria cornuta
前に伸びた2本角と黄色地に青い斑点模様が目を惹きます。模様は警戒色の可能性もありそうですが、一般的には珊瑚礁でのカモフラージュと説明される事が多いみたいです。角は丸呑みされづらくなる効果があると言われています(Khan, Siddique & Haque, 2013)。
角をもつサカナは少数派ですが、遊泳能力が高い(=スピードで逃げ切れる)種には発達しにくい背景がありますね。

マダラトビエイ Aetobatus narinari ※1
ウシバナトビエイ Rhinoptera javanica ※1
エイと言うと底生のイメージがあるかなと思うのですが、トビエイは鳥が羽ばたくようにヒレを羽ばたかせて泳いでいます。
和名は「飛びエイ」という事だと思っていたのですが「鳶エイ」らしいです(諸説あるけど有力らしい)。
※1, 2026/3/29 誤記訂正。最初マダラトビエイと書いてましたがウシバナトビエイだったようです。大洋さんご指摘ありがとうございました。
ちなみにマダラトビエイの属名は「ワシのエイ」、英名は Eagle ray で、とにかくタカ類 Accipitridaeというか猛禽類である事が重要みたいですね。動物系戦隊の“鳥枠”みたいです。

チンアナゴ Heteroconger hassi
正直、個人的には苦手な見た目をしています。

バリアリーフアネモネフィッシュ Amphiprion akindynos の生後20日の稚魚。
これは期間限定の貴重な展示です。
黒と白の体色ですが、成長と共にクマノミらしいオレンジと白の体色に変わり、イソギンチャクと共生するようになるそうです。

これは非常に難しいとされるサンゴの飼育に挑まれている「ライブコーラル水槽」。
PAR(光合成有効放射)などを気にしなければならない分、他の水生動物と比べても特にシビアそう。

当館はウミガメ類 Chelonioidea の繁殖にも注力されており、館内の人工砂浜での産卵・孵化にも複数回成功しているという事で、私ケラトプスユウタ、感銘を受けました。

突然エスカレーターのところに アルケロン Archelon が姿を表します。ウミガメ繋がりという事以外考えられませんが、(たぶん)キャプションがないので展示意図ははっきりとはわかりません。近くにいた他の来館者は現生種だと誤解していました。

エスカレーター脇に吊ってあるので背甲も観察できるのは良いのですが、やはりなまじエスカレーターで自分が自動で長されてしまうのでね。
実はここで電池切れになり写真を撮れていませんすみませんごめんなさい。
このあと淡水性カメ類と南極の展示区画などもありました。
南極の方の大部分は内容的にかなり古そうでしたが、館外にふじが係留されている事もあり肝入りであることは感じました。
ペンギンの生体展示は彼らの習性を利用して薄暗い室内展示にする事で、観察には支障ない程度の暗さの下、他ではのんほいパークでしか見たことのないほど活発に泳ぎ狂っている姿が観られてペンギン展示としては個人的に最高でした。
最後に感想です。
名古屋港水族館はまず鯨類展示の規模が僕の知る限りでは国内トップクラスで、それにかまけず南館の学習性の高さと多様な生態展示に感服しました。
難点を挙げるとすると、これは僕だけかもしれませんが、北館と南館の導線が分かりにくく、特に南館の最初の順路に辿り着くのに迷ってしまって時間を要したんですよ。
あと学名の誤記や一部展示の古さも多くはないのですが、あることはあるので改善に期待したいです。
入館料は水族館基準だとしても絶対的に高い Expensive ですが、展示の質はそれに見合っているのではないかと思いました。ぜひまた行きたい水族館です。
恐竜ファンの皆さんも、名古屋に行かれた際は(科学館より)こちらをお勧めします(時間的に両方いけるならそれが良いと思います)。
それじゃ👋
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参考文献:
Khan, M.S.K., Siddique, M.A.M. & Haque, M.A. (2013) New record of the longhorn cowfish Lactoria cornuta (Linnaeus 1758) from inshore waters of the Bay of Bengal, Bangladesh. Zoology and Ecology, 23(1), pp. 88–90.
