名古屋港水族館 #3 深海ギャラリー

一頭でやるのが前提だ。理解されるかは結果論。命ある限り沈黙を拒否する。ケラトプスユウタです。

さて!名古屋港水族館レポートの3回目では、『深海ギャラリー』と呼ばれる展示区画に侵入します。

早速行きましょう。

19世紀イギリスの調査船チャレンジャー号をご存知でしょうか。僕はよく知りません。チャレンジャー号の探検家たちは11万kmに及ぶ航海で海洋生物などを調べ、刊行された「チャレンジャー・レポート」の図版は学術的にも芸術的にも象徴的にも思想的にも形而上学的にも秀でており、その中から生物が描かれた図版の一部が展示された画廊のようになっていました。

上の画像は「ナガアオメエソの仲間」と書いてあります。大きな目や整然とした鱗などが巧みにスケッチされており、見る者を惹きつけます。

そしてこの「ギャラリー」には深海生物の封入標本らしきものも多く展示されています。

ビワアンコウ Caratias holboelli

ルアー部分を欠く標本ですね。

サクラエビ Sergia lucens はシギウナギ Nemichthys scolopaceus のエサとなる動物らしいです。

この写真ではわかりづらいですがシギウナギの細長い口には細かい歯がたくさん生えています。

カタホウネンエソ Polyipnus stereope とトガリムネエソ Argyropelecus aculeatus

互いに近縁らしいですが、より深いところに住んでいるトガリムネエソの方が光を効率よく利用する為に目が上の方についていると説明されています。

トモメヒカリ Chlorophthalmus acutifrons

属名は 「色のある眼球」 という意味ですね。この標本では色が失われていますが、生体では瞳孔が青緑色、虹彩が金色に輝いて見えるらしいです。

アカカサゴ Setarches longimanus

生体の赤さは見る影もありません。

種小名は「長い手」の意ですが、言われてみれば体に比して胸鰭が長いかもしれません。

ムラサキホシエソ Echiostoma barbatum

目の下に発光器があるやつですね。

クマサカガイ Xenophora pallidula

殻の表面に貝殻や小石をつけて擬態するそう。その姿を、熊坂長範(くまさかちょうはん)という平安時代の盗賊に例えてこの和名が与えられたとのこと。

オオヨコエソ Gonostoma elongatum

昼間は水深1200mのところで生活しているそうですが、夜はオキアミを追って水深500mまで浮上するとの事。

ごく小さな動物も光の届かない世界に栄養を運ぶ一翼を担っているんですなあ。

70年代のSF映画か Dead by daylight に出てきそうな何か。

左がレオナルド・ダ・ヴィンチの絵から着想を得て作られた『ディエゴ・ウファノの潜水服』、右が『クリンゲーツの潜水服』というそうです。

正直、実際これで潜れはしないよな、という印象が先に来ました。見た目だけならかなり異様で、怪人 Kaijin のような印象を受けますが、非常に真面目に設計されていることもわかります。呼吸や水圧といった問題に対して、当時なりに理屈を積み上げて対応しようとしている点は率直にすごいです。よく見るほどに、当時の人が未知の環境に挑もうとしていたこと、そのために当時の既存の鎧やテクノロジーを組み合わせて水中用の装備を形にしようとしたアイデアには敬服したいです。完成度というよりも、どうにかして水中に入ろうとした試行錯誤の痕跡として見ると、とても価値のあるものだと感じました。

現代の基準で見れば未熟に見える部分もありますが、ウファノやクリンゲーツのチャレンジがあったからこそ、今の安全で洗練された潜水技術につながっているのだと感じます。

どちらの潜水服も、完成度の高さというよりは、「フロンティアに対してどう向き合ったか」がよく伝わってくる装備で、そこに一番の魅力があると思います。

深海のアイドル、メンダコ Opisthoteuthis depressa

属名は「後ろのイカ」と和訳できますが、足が8本で胴のヒレもないのでタコだと思います。

おそらく最も有名な深海魚 チョウチンアンコウ Himantolophus groenlandicus

大きな顔に光るルアー。オスは生殖器を残してメスに吸収される。個性が光っています(チョウチンだけに)。個性と言いつつ上述のビワアンコウもそうですが。

ドラゴンオサテエビ Thaumastocheles dochmiodon

シオマネキ Tubuca arcuata などのように片側のハサミが異様に長大ですが、これはやはりオスだけの特徴でしょうか?

もしかしたらポケモンのウデッポウ Clauncher のモチーフの一つかもしれませんね?でもそれならドラゴンタイプにするか。

ホテイエソ Photonectes albipennis

生体では漆黒ですが、やはり色が抜けて真っ白になってしまうんですね。

トゲヒラタエビ Glyphocrangon saintlaurentae

こうやってよーく見ると、長い鼻角と短い眉角があり、ケラトプス類 Ceratopsidae をパクっています。殻は非常に硬いらしいです。

イトヒキイワシ類バティプテロイス・ドゥビウス(スパイダーフィッシュ) Bathypterois dubius

種小名は「疑わしい」という意味なので、縁起でもない学名です。

標本では失われていますが、生体では尾鰭も胸鰭同様、一部が長い糸状になっており、海底に3点で立つ姿がよく知られているそうです。そのためトライポッドフィッシュとも呼ばれるそうです。

クロヌタウナギ paramyxine atami

ご存知、ゼリー化する粘液で身を守る無顎類 Agnatha。そんな最強に思える動物でも大型のサカナは天敵になり得るそうです。

深海のチムニー周りの環境を再現したジオラマ。立体映像を組み合わせた展示も兼ねていたので、さながらテーマパークのアトラクションのようです。

ハオリムシをはじめとした深海のジオラマ。かなり精巧に造られており、臨場感があります。

テンガイハタ Trachipterus trachipterus

鰭が何もないみたいですが、幼魚の頃は前方背鰭、尾鰭、腹鰭が長く伸びているそうです。なぜ鰭のような重要そうな器官が消失するのか不思議です。

コワヌケフウリュウウオ Malrhopsis gigas

バットフィッシュの方が通りが良いでしょうか。そんなことはないでしょうか。

胸鰭と腹鰭を使って海底を歩くように移動する愛らしい姿が人気の生体展示であり標本ではないです。

きりが良いので今日はここまで。

次回はおそらく最終回です。

それじゃ👋

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