MOR #6 エイニオサウルス

疑問は生き物だ。自然に増殖する。ケラトプスユウタです。

今日紹介する恐竜は、エイニオサウルス Einiosaurus

そうです。かっこいいケラトプス類 Ceratopsid です。

御船町恐竜博物館の特別展のレポートでも復元頭骨を紹介しました。エイニオサウルスは日本では見る機会は少ないですが、当ブログでは3度目の紹介になります。ありがとうございます。

エイニオサウルス・プロクルヴィコルニス E. procurvicornis

MOR 456

ホロタイプで実物。

圧縮された化石なので鼻角が潰れていますが、修正すると立体的な鉤状だったはずです。

ツイッターのヘッダーにちょうどいい潰れ具合なので、エイニオサウルスクラスタの方はご自由にご利用ください🤓

ちなみに下顎は失われています。

勇壮な2本のホーンレットはセントロサウルス亜科 Centrosaurinae らしい。

エイニオサウルスはセントロサウルス亜科 に属するケラトプス類で、パキリノサウルス族 Pachyrhinosaurini の基盤的位置付け、アケロウサウルス Achelousaurus に近縁とされています。アケロウサウルスとエイニオサウルスはトゥーメディシン層 Two Medicine Formation で共産し、同じ地域に生息していたという事ですが、時代がオーバーラップしていないので同時には存在していなかったと思われます。エイニオサウルスの方が少し古いです。なのでエイニオサウルスはアケロウサウルスの直系の祖先かもしれません。化石生物ではあまりそういう漸次進化的な考え方はしないものですが、彼らは状況からするとそんな感じはします。

アケロウサウルスがわからない方は上記のリンクを開くか、「アケロウサウルス」で検索してみると良いと思います。

ロッキー博物館にはアケロウサウルスの標本も展示されているので後日改めて紹介するつもりでもありますけどね。

MOR 456-8-25-87-4B

エイニオサウルス亜成体の左の鼻骨。図鑑などでよく見られるエイニオサウルスの復元図では鼻角が前方にカーブしていて、プロクルヴィコルニスという種小名も「前に曲がった角」という意味ですが、この標本は他の多くのケラトプス類と似たような鼻角でむしろ後傾ぎみにも見えますね。

実はエイニオサウルスは成長と共に鼻角が前方にカーブします。よく知られているエイニオサウルスの姿は成体の姿という事ですね。


さて、エイニオサウルスの曲がった角の用途がわからないという意見を耳にした事があるので、たまにはここらで考察を入れて行こうかなと思います。

結論から言いますと、他のケラトプス類と同じように種内競争に用いたのが第一義ではないかと思います。それはわかってるんだよ!と言われそうですが、ちゃんとどうやって闘争したのかも考えてあります。

この図のように角の峰側(後ろ側)を押し付けあうような闘争だったはずです。勢いをつけて突進したかはわかりません。ただ押し付けあっただけかもしれません。セントロサウルスも同様だと思います。

フックの内側を絡め合う形で想像してた方もいると思いますが、僕の見解ではそうじゃないですよ。

根拠もあります。基盤的エウセントロサウラ Eucentrosaura (セントロサウルス Centrosaurus やスティラコサウルス Styracosaurus を内包)→エイニオサウルス→アケロウサウルス→パキリノサウルスという進化の流れを見ていくと、スパイク状の鼻角が時間と共に瘤状に変わっていったことがわかります。

そもそもセントロサウルスも成長と共に鼻角が前傾すると言われています。尖ったまっすぐな角一本ではぶつけるにしろ、押し付けるにしろ、うまく角同士当てられなかったり、ずれやすくなると思うんですよ。それだと互いにケガを負うリスクもあるので、曲がった角の峰側を当てる方が、面積的に当て損なう事が少ないはずです。そういう打撃的な闘争をやっていると曲がった角よりも瘤の方が都合が良さそうに見えます。

この説明意味わかんないから他の説明で頼むとかありましたらご連絡ください。その他、ご意見もいつもどおり受け付けます。

そしてその完成形がパキリノサウルスなのではないかと。だもんで、少なくともエウセントロサウラの段階からすでにパキリノサウルス型へのベクトルで進化の道を進んでいたのではないかと思います。パキリノサウルス族は白亜紀末を待たずして絶滅しましたが、パキリノサウルスという完成形に到達できて良かったです。いや、パキリノサウルスより派生的なセントロサウルス亜科を知らないから、結果論でパキリノが究極だと思っているだけでしょうね。パキリノの系統、すなわちエイニオの系統がが更に進化を続けていればどうなったことか、それを想像したらあなたも思弁進化クラスタだ!(僕は違います)

それにしてもアケロウサウルスの祖先であるとすれば中間型もいたはずですが、それはエイニオサウルス属の新種になるのか、アケロウサウルス属になるのか、アケロウサウルス型のエイニオサウルス・プロクルヴィコルニスになるのか、エイニオサウルス型のアケロウサウルス・ホルネリになるのか、独自の属が与えられるのか、その場合エイニオサウルスとアケロウサウルスに属を分けるほどの差があると言えるのか、そんなことはどうでもいいのか…🤔

つづく…


参考文献: S.D. Sampson 1995. “Two new horned dinosaur from the Upper Cretaceous Two Medicine Formation of Montana; with a phylogenetic analysis of the Centrosaurinae (Ornithischia: Ceratopsidae).” Journal of Vertebrate Paleontology, 15(4), 743-760

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