恐竜の骨といえば普通、博物館や特別展の展示物かインターネットや書籍なんかで見る写真です。古生物学や地学に携わっている人以外で、地に半ば埋もれたそれらを見る機会がある人は少ないのではないでしょうか。ケラトプスユウタです。
ところが、アルバータのとある公園では、そんな状態の化石たちを、ダイレクトにあなたの目で見ることはもちろん、触ることさえ可能なのです!
というわけで今日は予告通り、この惑星が誇る大恐竜化石サンクチュアリィ、州立恐竜自然公園 Dinosaur Provincial Park を紹介しちゃいたい!
地図とピンの用意はいいか?!
ドラムヘラーの町から南へ、車で2、3時間ほどの場所にそれはあります(思ったより遠かった)。
ユネスコ世界遺産にも登録されているこの広大な自然公園内には、地球上に恐竜が存在していたことを肌で体感できる呼び物が満載。
今回はその中でも興奮の発掘現場の一部をお見せします。想像を上回る規模でした。
この場所を保護する運動を始めたのは化石ハンターのチャールズ・ヘイゼリアス・スタンバーグ氏。
1985年にティレル古生物学博物館が開館するまでは大きい自然史系博物館が近くになかったので、公園で発掘された化石はニューヨークのアメリカ自然史博物館、トロントのロイヤル・オンタリオ博物館、オタワのカナダ自然博物館へ送らなければならなかったそうです。
地質年代は280万年分の生物史を保存しています。下から順に陸成層のオールドマン層、同じくダイナソーパーク層、海成層のベアパウ層と呼ばれています。
関節した恐竜化石が多く含まれるのはダイナソーパーク累層で、白亜紀後期カンパニアン期後期(7500万年前ごろ)。
それでは以下、実際に僕が保護されている発掘サイト内で見つけた恐竜化石をお見せします。
見つけたと言ってもこの広範囲にわたるボーンベッド自体は昔から知られているもので、公園のアトラクションの一つと化しているわけなので発見は大した事ないのですがどうです?! バラバラですが四肢のパーツなんかはわかりやすいですよね。
エバース博士によるとおそらく全てセントロサウルス・アペルトゥス Centrosaurus apertus のものだそうで、パイプストーンクリークのパキリノさん同様、大規模な群れで洪水に巻き込まれて死んだと考えられてます。
そうそう、この探検にはロイヤル・ティレル古生物学博物館のデヴィッド・エバース博士にガイドして頂いたのです。この場を借りて改めて感謝の意を表したいと思います。
この経験はかけがえのないものになりました。大好きなケラトプス類だし名門セントロサウルスだし。
これらはセントロのボーンベッド以外で見つけた化石です。
地層は日々、雨風によって徐々に表面を削られ、化石を露出させます。
今後もここから恐竜や地球の新しい秘密が次々と暴かれることでしょう。
化石だけでなく、バッドランド、プレーリー、ハコヤナギ地帯、緑の草原からなる生態系、それが創り出す美しい景観なども思い出深いです。
最後に化石クイズです🏴☠️
上の写真、この丸い物体はセントロサウルスの一部の骨ですが、いったいどこの骨でしょう?
正解発表は明日!