すみません。数日間更新が滞っていましたがサボっていたわけではなく、今まで膨大な量の画像類をアップロードして来たことによってサーバー側の利用可能データの上限に達してしまったのです。ケラトプスユウタです。
ということで今回は「ルベオサウルス狩り」ぶりにネタ記事を用意したので、事態の収拾までの間、こちらをご覧ください。
元ネタはウルトラゾーンチャンネルの怪獣漫才です。
「モノクロニウス Monoclonius (右)、鼻の上に一本の角をもつ植物食恐竜」
「ディアブロケラトプス Diabloceratops …!(深みのある美声)」
「ちょっと待ってちょっと待ってちょっと待って」
「なんでしょう」
「いや、なんでしょうじゃなくてさ」
「はい」
「きみの自己紹介」
「はい、自分の自己紹介がなにか」
「じゃあ確認するけどさ、僕はこの鼻角に因んで『一本の幹』って意味の名前なんだけど、一応きみのも骨の特徴に因んだ感じだよね?」
「はい、もちろんです。角が悪魔(ディアブロ)を彷彿とさせますので、『悪魔の角の顔』という意味のディアブロケラトプスです」
「そっかー、じゃあ一応学術的な名前なんだー」
「はい、もちろんです」
「そもそもセントロ系?」
「はい、2012年にカークランド博士に記載していただきました」
「その時セントロ系って言われた?」
「ええ。カスモサウルスよりもセントロサウルスに近いケラトプス科はみんなセントロサウルス亜科ですから、自分としてはセントロサウルス亜科という方向性でやらせて頂きたいなと」
「見えないんだよなー、セントロ系には」
「そうですか」
「見えないよ。たぶんお客さんはファンタジーのクリーチャーだと思ってるんじゃないかな? 良い意味か知らないけどさ、なんか目の上とフリルからガッシーンってかっこいい角出ちゃってるもんね」
「ありがとうございます」
「で、僕を見て。この眉見て」
「ボーイッシュですか」
「いやそんなしゃれたもんじゃないよ。そもそもボーイッシュっていうのは、女子が男子のような風をしているさまを指すから」
「そうなんですか。勉強になります」
「勉強になりますとかじゃなくてさ、僕の眉角は短いの! 申し訳程度の長さよ。でもってフリルも小さめだからね」
「ですがモノクロさん」
「いや、呼ぶならモノさんにして。なんかモノクロさんだと色が白と黒とせいぜい灰色しかないみたいになっちゃうから」
「モノさん、そんなネガティブに捉えなくても良いじゃないですか」
「いや、良いの。なんでかっていうと、セントロ系って言ったらほら、こんな感じでしょ?」
「そう言われましても、なんと言ったら良いのか…」
「いや気使わなくて良いのよ。『トリケラと違う!』って言って貰えたらさぁ」
「トリケラと違う!」
「いや今じゃなくて良いから」
「あ、今じゃないんですか」
「ごめんね、紛らわしいこと言って。で、僕の場合たぶん独自の属じゃなくてセントロサウルスのシノニムだからね」
「えっ」
「セントロサウルスより先に記載されたんだけど、属を規定する標本が不完全すぎて特徴が見出せないから、疑わしい名前ってことにされたわけ」
「それって、不可抗力ですか?」
「いや何言ってるかもうよくわかんないや。とりあえずそれっぽいこと言って返すのやめて?」
「すみません」
「きみのいきさつ教えて?」
「はい。2002年、レイクパウエル地区近郊のグランド・ステアーケース・エスカランテ国立記念公園のラストチャンスクリークにある後期白亜紀カンパニアン紀前期つまり8100万~7600万年前の陸成層であるワーウィープ層下部でドン・デブリさんが」
「あーごめんごめんごめん。自分から聞いといてなんだけど難しくて全然ついていけないわ。要するになんできみがセントロ系と思われてるわけ?」
「はい。かつてはケラトプス科において目の上の角やフリルが小さいものがセントロサウルス亜科、目の上の角やフリルが大きいものがカスモサウルス亜科と思われていました」
「あ、今は違うのね」
「はい。最近の発見によって原始的なケラトプス科はみんな目の上の角が発達していて、目の上の角が小さいのは進化したセントロサウルス亜科の特徴だったことがわかりました」
「へえ」
「その関係で角よりも鱗状骨の形状などが重視されるようになりました」
「鱗状骨ってフリルの両サイドの骨だよね」

「はい。鱗状骨が扇状であったり、L字型をしているものがカスモサウルス亜科、長方形など単純な形のものがセントロサウルス亜科とみなされるようになって来ました。そういったすったもんだがありまして、後者の特徴をもつ自分はセントロサウルス亜科に含まれているわけです」
「そっかー。なんかよくわかんないけど、いつまでもセントロ系の何たるかみたいな説教臭いことを、系統上きみの子孫筋である僕が言ってること自体がナンセンスなのかも知れないって、そう思えてきちゃったなあ」
「モノさんが何かに気づく事が出来たのなら、自分も嬉しいです。自分もモノさんのようなセントロサウルス亜科らしい角竜になれるようがんばります」
「そっか。そういう想いが伝わってくれただけで今日は満足だわ。えっとー、なにくんだっけ?」
「ディアブロケラトプス…!(深みのある美声)」
「伝わってねぇ〜」
完