恐竜復元教室 初期恐竜類編

「過去のことなんだからそんなんわかんねえっちゅう」山本聖士


AMNHレポートの途中ですが化石ホールの紹介が終わってきりがいいのでここらで復元教室レポートを挟みます。本日はよろしくお願いします🤲

今回のテーマは、初期の恐竜類 Dinosauria ということで、要するに恐竜がこの世に現れた頃の最も基盤的な恐竜たちです。主にエオラプトル、ヘレラサウルス、サトゥルナリア。


恐竜は、現在はワニと鳥だけで構成されている主竜類 Archosauria の中から派生した。あれは、中生代三畳紀のこと。現生の爬虫類の中ではワニが最も恐竜に近い。

主竜類は有鱗類(トカゲやヘビ)とは爬虫類の進化の初期段階で分岐している。有鱗類は重なり合うウロコが多いが、主竜類は皮膚に纏う装甲のようなものが多い。

昔のワニ類は陸上を活発に動き回るような脚の長いものが中心だった。現在のワニのような半水棲のものも存在していたが、ごく一部だった。植物食の嘴をもつタイプのワニもいた。

現生ワニは恐竜と分岐する前の段階の二足歩行の主竜類よりも前の段階で分岐した。

恐竜以前の二足歩行の主竜類は、二足歩行動物としては背が低い。直立二足歩行は恐竜以前にすでに獲得されている。恐竜は寛骨臼が貫通している事によって、その構造が強化されている。恐竜以前の主竜類は寛骨臼が貫通していない。

陸ワニの中には第一転子に腸骨が被さるような構造で直立できるようになっているものがいる。つまり直立歩行できた爬虫類は恐竜だけではなく、寛骨臼の貫通が重要な違いである。

現生ワニは二次的に後肢を横に広げられるように進化している。昔の陸ワニは上記の構造の為、できないか、できてもわずか。恐竜は完全にそれができなくなっている。


ラゴスクスは急にかかとを浮かせて歩くようになった。これは中足骨関節が発達しているということ。距骨と踵骨がシンプルな板状の関節になっている。現生ワニはそうではない。

ラゴスクスの段階から急に背が高く、歩幅が大きくなる。移動速度爆上げである。二足歩行の場合、足先を伸ばして歩幅を稼ぐのは、速く走るための進化としては一般的なパターン。

ヒトはかかとを接地したまま、膝の可動域を大きくする方法を取っていて一風変わっている。


シレサウルスは四足歩行で復元される事もあるが、前肢が華奢で後肢が頑健なので二足歩行で良いかなと。

クチバシをもっていて、恥骨が長いので鳥盤類じみている(恐竜は恥骨がものすごく長いのが特徴の一つ)。

シレサウルス類の中にいろんな食性のものが存在していたと思われるが、シレサウルス属は植物食と思われる。


エオラプトルより前に、ヘレラサウルスが幹線から分岐している可能性がある。

エオラプトルは獣脚類寄りかな???

エオラプトルは完全に中足骨関節も備えていて、寛骨臼が貫通しており、ついに恐竜然としてきた。

初期の恐竜は腸骨が前後に短く、仙椎の数が少ない。2個とか。古竜脚類でもそのままの数。

鳥盤類は最基盤から仙椎が6個とかあって割と派生的な所から登場しているのではないかと思われる。基盤的獣脚類は5個。

翼竜はポストスクスより派生的でラゲルペトンより基盤的位置から派生した。

翼竜が二足歩行の生物から生まれたかどうかは別として、多くの翼竜は腰のあたりで体を支える構造ではないし胸骨が発達しているのでまず四足歩行。


ヘレラサウルスは初期の恐竜の中では恥骨が後方向きで鳥のよう。

一つの特徴を取り上げてこれを恐竜の特徴だと言うのは不適切。

古竜脚類と竜脚類がかなり連続的で分ける必要ないだろってなって、古竜脚類という名称は自然分類群としては今は使われていない。

チレサウルスは肉食の歯を持っているが、成体になると歯がなくなってクチバシになる。

シレサウルス類の中にピサノサウルスがいるが、クチバシをもっていて以前は鳥盤類と思われていた。

エオラプトルは木葉形の歯を持っている。イグアナなんかの歯もそんな形(イグアノドンの木葉形の歯は物を噛むのに参加していない時の形状で、使用されている歯は摩耗して臼形になっている)。エオラプトルの歯は木葉形であると共に後方に反ったナイフ状でもある。肉食恐竜から竜脚類に近づきつつあるものと思われているが、逆に植物食の祖先から肉食に変わりつつある動物の可能性もあるかも?

ヘレラサウルスは間違いなく肉食。頭骨自体は原始的なつくりをしている。かなり大きな後方に反った歯が上顎骨の前方に並んでいる。純粋な肉食動物として進化した最初の恐竜の一つ。目は眼窩いっぱいに入っていて、かなりギョロっとしている。フレンゲリサウルスがヘレラサウルスの大型個体と言われているが、特徴が同じなのでまあそうだろうな。

サトゥルナリアの歯は純粋な木葉形ではなく、それほど反っていない。セレーションが前後についている。


腸骨や坐骨の筋肉が、脚を動かすのに使われる。

恥骨の遠位端につく筋肉は脚(主に膝)を体に引き付けておき、姿勢を保持するためのもの。

基盤的な恐竜はみな二足歩行。四足歩行のものは一つもいない。シレサウルスも前足がちょっと長いだけで歩行にはほとんど使われなかったはず。それゆえか押し並べて前足は短め。

エオラプトルとヘレラサウルスは骨格上は5本指。外側2本は著しく退化している。羽毛はあったかもしれない。例え祖先が羽毛を持っていたとしても、環境や代謝によっては無いこともあり得る。

エオラプトルの第5趾は第4趾の後ろに回り込んでいる。第1中足骨が踵の関節まで来ている。

コエロフィシスのような真獣脚類になると、第1が足首のところまでこない。これは獣脚類の脚の重要な特徴で、初期の恐竜でこの特徴をもつ者は存在しない。

テリジノサウルス類は二次的にエオラプトルのように変化しているが、第2〜第3趾が短くなっているからそうなってしまっただけの可能性が高い。

基盤的な恐竜の特徴としては、腰が前後に短い事、前足が短い事、手指が5本だが4、5が退化ぎみで1には鉤爪が備わる、第1趾が足首に関節すること、長く後ろにぴんとはった尾などが挙げられる。


坐骨はカンガルーのように生体でも表面から見えると思われる。

恥骨、坐骨の広がりは足運びにおいて内臓が邪魔にならないようにする為にあると考えるのが自然。

尾は付け根は太く、先端へ細い。だが派生的な獣脚類ほどじゃない。

体に比べると細めの脚。尾の筋肉がウェイトを占めている。それがあるせいで、オオトカゲのように尾の付け根がふっくらした形になっていると思われる。脚の筋肉が発達してきていて、尾の筋肉が縮小され始めている。

ツチブタのように腸骨の後端から腿の後ろ側のアウトラインをはっきり描くのは間違い。

エオラプトルの第4、5指は肉に埋もれていた可能性がある。


ヘレラサウルスは長い歯を支える歯根が収まるスペースを稼ぐために長方形の頭になっている。

ヘレラサウルス類は基盤的恐竜類の中ではかなり肉食性が高いものと思われる。最初に強肉食性になった恐竜で、既に確固としたニッチを持っていた。当時では唯一の大型肉食動物で1tを超える動物はいなかったと思われる。

体の大きさにともなってなのか、手首から先がよく発達している。鉤爪を備えている。樹上性の祖先から引き継いだ形質かもしれない。恥骨が後ろ向きなのもそれっぽい。

エオラプトルは脛の方が長いが、ヘレラは脛が短い。ただし脚自体はかなり長い。小型動物と比べると機敏さに欠けると思われるが、走るのは速かったと思われる。

ヘレラサウルス類は恐竜時代の初期に繁栄したが後には続かず、ニッチを獣脚類に譲った。三畳紀・ジュラ紀の境は地球全体が乾燥してきていたのでは湿潤な環境に適応した生物が生存できなかった可能性がある。

体重がそう重くないので、恥骨が座っている時のゆり椅子として機能したとは思えない。恥骨の用途は不明。

首は緩いS字型で良いと思われるが、詳細な研究はされていない。まっすぐではないのは確か。

頭の後ろに太い筋肉を支える面積はない。

マウントだと長い頸肋骨がついているのが多いが、証拠はない。おそらく細い脛骨が重なり合っていた。


エオドロマエウスは基盤的獣脚類。


古竜脚類のサトゥルナリアは脳の研究から優れたハンターなどと言われている。その可能性はなくはないが、胴の幅があり、腹は大きな内臓を支えていたに違いない。

サトゥルナリア自体の手は知られていないが、古竜脚類は扇状に広がった手をしている。4、5指が小さいのはエオラプトルやヘレラサウルスと同じ。こういう手が徐々に中手骨だけの指に進化していく。手は静止状態の時だけ接地し、普段は二足歩行。

サトゥルナリアの尾は中間までしか椎骨が出ていないが、プラテオサウルスと同様の形状だったと推測される。

顎はほぼ破片だけで知られているが、細い。

捕食者説派ではエオラプトル型の頭に復元されがち。

エオドロマエウスと共に首を長くした最初の恐竜。

竜脚類は手指が5本あるように見えるが、実際は1本もない。指をガンガン使う歩き方ではなく、ナックルウォークのように伝い歩きをした。そもそも前肢が歩行に向いていない構造だからそうなのだろうと言えそう。

上腕はほぼ胴体に埋もれ、カンガルーのイメージに近い。短いけど筋肉質。

下腿部が大腿部に対して短い。大腿部はS字によく曲がっていて、これだけで古竜脚類だとわかる。尾大腿骨筋が大きく発達している。脚は相対的にエオラプトルより短め。

基盤的恐竜類の基本として後々の連中が分岐して行った。

歩行用の前足に進化したものは指骨が比較的退化ぎみになる。

ヘレラサウルスは3本とも鉤爪。

鳥盤類ヘテロドントサウルスは手根骨がよく発達。鉤爪も3指ともによく発達していて、ヘレラサウルスと比べて遜色ない。派生的鳥盤類では緩くなって蹄状になる。

古竜脚類は蹄っぽくなりつつある鉤爪。

恐竜の共通祖先は鉤爪を備えていた。鳥盤類の鉤爪が蹄状に変わった理由ははっきりしないが、穴を掘ったり、地面に手をつく機会が多かったのかもしれない。鉤爪である必要がないのも一因か。

エオラプトルの手が一番機能的ではない。

古竜脚類の前肢は接地の際は第1が横を向いていて、爪が接地しないように持ち上げていたと思われる。

現生ワニも4、5指は爪がない。

鼻先はタワ、コエロフィシス間で大差ないが、タワは頬骨が発達しているのが謎。

以上だばーろー。