アメリカの一部地域では炭酸飲料のことをコーク Coke と言います。その地域ではペプシコーラもコークです。ケラトプスユウタです。
今日の旅はユタ州東部のモアブからスタートです。(モアボサウルス Moabosaurus のあのモアブです)
調べたところ、「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」、「ハルク」、「スタートレック(2009)」、「ローン・レンジャー」、「トランスフォーマー/ロストエイジ」などのハリウッド映画のロケ地としても有名みたいです。
夜に着いたので昨日は気づきませんでしたが、この町は赤くて美しい岩山に囲まれています。
そんなモアブから伸びるダイナソー・ダイアモンド・プレヒストリック・ハイウェイ Dinosaur Diamond Prehistoric Hwy を北西に進んだ砂漠の真ん中にモアブ・ジャイアンツ Moab Giants という野球チームのような名前の施設があります。
屋外の模型の展示がメインという事だったのでスルーするつもりだったのですが、博物館と水族館が併設されているとの情報もあったので寄ってみました。せっかく通りかかったことでもありますしね。
入場料は、ダイナソートレイル(模型展示)だけだと16ドル。ダイナソートレイルに博物館と水族館と3Dシアターを加えた内容だと22ドル。後者にしたのは言うまでもないですね。
まずは博物館から。先に言うと、足跡化石がメインでした。
ケツァルコアトルス Quetzalcoatlus のマウント。周囲に足跡があるんですが、ケツァルコアトルスのものには見えないしキャプションもないので詳細不明。
プロトケラトプス Protoceratops
これも前肢と後肢の間にやたら指の跡がくっきりした足跡が。
ドロマエオサウルス類 Dromaeosaurid の足跡。第1趾は当然短くて接地しないとして、シックルクロー(鎌状の鉤爪)のある第2趾ももちあげているので足跡では二本指なのがわかります。こうやって足の骨も一緒に展示していただけるのは親切ですね。
竜脚類 Sauropod の足跡。
ステゴサウルス類 Stegosaurid の足跡。
コエロフィシス上科 Coelophysoidea の生体復元模型。有名なディロフォサウルス Dilophosaurus のものとおもわれる座った痕跡を展示しているのかと思いきやそうではなかったです。
愛らしい顔をしていますが、近づいたら噛まれそう。
あと初期の獣脚類に羽毛を生やす復元も普通になりましたね。妥当かどうかは別として。
マメンキサウルス Mamenchisaurus の足とその足跡…
…またの名をデストラップ。
つまり竜脚類が踏みしめたことによってできた泥溜まり(造語)に小型の恐竜がはまって死にましたというもの(某グアンロンクラスタの人の好物ではないでしょうか)。
4/24追記:グアンロンクラスタの方からご指摘いただきました。これ自体は恐竜がハマって死んだ穴とは別らしいです。
これがそのデストラップの化石の産状レプリカ。五体の動物(グアンロン Guanlong とリムサウルス Limusaurus)と未記載の獣脚類が深い足跡の中で死んで重なって化石になっているのですが、それがここでは一つ一つ観察しやすいように一個体ずつの層に区切って展示されています。本場中国にもこの展示があるんですかね?
とりあえず一番上のグアンロンだけ。手前が後肢です。
やっぱり有名な標本を目にするのは楽しいですね。
博物館は小規模で、今紹介したもので8割は行ってます。
次に3Dシアターを観てみました。10分間の短いドキュメンタリー映画を3Dゴーグルをかけて観るんですが、恐竜中心のものかと思いきやなんと宇宙誕生から始まり、地球誕生を経て、ペルム紀の大量絶滅までで終わるというまさかの恐竜時代寸止め。
ハルキゲニアもディメトロドンもすべての生き物が俊敏だったのが印象的です🤓
画像はないですが悪しからず。
それからお待ちかね、水族館の時間なわけですが、よく表記を見ると“古代水族館” “Ancient Aquarium”とあるではありませんか。
生体展示じゃなくてダイナソー・リソース・センターのような水棲動物の化石展示かと思えばそうでもなく、いくつかのスクリーンに映し出される水棲古生物の映像をまた3Dゴーグルをつけて観ていくというもの(道理で開催時間が15分おきだったわけなのよね)。
バイオテクノロジーで再生されたという設定です。ドゥンクレオステウス Dunkleosteus、モササウルス類 Mosasaur、バシロサウルス Basilosaurus、ショニサウルス Shonisaurus、メガロドン Megalodon など巨大なものばかりでした。クライマックスのメガロドンだけ特別扱いでいろいろな仕掛けがありました。
あと気味の悪い人魚もいましたね。マナティーとかじゃなくて上半身がヒトで下半身が魚の、あの人魚。
最後にこの施設のメインアトラクションであるダイナソートレイルへ。
オグデン・ジョージ・エックルス・ダイナソー・パークを思い出します。
ディプロドクス Diplodocus
屋外なのが良いですね(ラピッドシティの「恐竜博物館」と違って)。
キャプションではヘスペロサウルス Heaperosaurus でしたが、ヘスペロサウルスならプレートをうちわみたいに丸っこくすべきなのでは🤔
なのでステゴサウルス類 Stegosaur としておきます。
前肢を持ち上げたステゴサウルス類は珍しいと思ったそばから全く同じポーズのがもう2頭いました。変わったポーズをさせるなら複数置かない方が無難ですね。
アロサウルス Allosaurus
目が飛び出し気味なのは視野を広げてあげるための愛でしょうか。
もう一頭のアロサウルス。合成画像感ありますが違います。そこにいます。
笑顔で登場、ユタラプトル Utahraptor
トリケラトプス Triceratops 横断注意の看板ですが…
作った人はホーナー派か、あるいは何も考えてないかどっちかですね。
デイノニクス Deinonychus にびびるイグアノドン類 Iguanodontia
(イグアノドン Iguanodon と明記されてましたが)
パラサウロロフス Parasaurolophus
アヴァケラトプス Avaceratops にしか見えないけどトリケラトプス幼体のつもりなんだろうなと思ってキャプションを見たらアヴァケラトプスでした🤓
最後は、この恐竜がいないわけがない
ティラノサウルス Tyrannosaurus
この方から逃げてる構図で撮るのがインスタ映えですよみなさん。ちなみに正面顔はキモい系なのでそこだけ注意。
全て紹介したわけではないですが、そう、これで最後です。あんな看板見せられたらトリケラトプスか最悪トロサウルス Torosaurus がいると期待するじゃないですか。いったいどんな扱いを受けているんだろう、トリケラ同士で力比べしてるだろうか、ティラノサウルスの餌になってるかもな、と気になるのが人情じゃないですか。
いませんでした。
まあいいや。
数えてないですが模型は100体以上あったらしいです。でも体感30体。ステゴサウルス類のように形も同じのが複数あるので体感30体です。
模型を手がけたのはこの Dino product という会社らしいです。ケラトプス無法者風情が偉そうに評価できたタマではないですが、思い描いた動物を造形する技術は確かだと思います。
ロケーション的にも模型のクオリティ的にもオグデンよりずっと上ですね。
でもって今度は北上してプライス Price にある東ユタ大学先史博物館 Prehistoric Museum of East Utah University にまかりでました。
この博物館に来るのはほぼ一年ぶりです。すでに一度レポート済みなので、展示物を詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ召し上がれ。
ここでなんと東ユタ大学のケン・カーペンター博士に遭遇するという僥倖…!
(一般客かと思って話しかけたらカーペンター博士だったので驚きました)
このカスモサウルス・ベリ Chasmosaurus belli ROM 843 のマウントは1985年かそこらに造られた物で、不正確だから作り直したいと仰っていました。
あとブリガムヤング大学のトリケラトプス(トリケラジジイ、BYU 12183) はフリルを盛りすぎとも仰ってました。
その他、貴重な時間を裂いていろいろ教えていただきました。
お土産までいただいてしまいました。中身はアロサウルスとカマラサウルスのポスターらしいですがまだ見てません。
とても気さくで話しやすく親切で寛大な方でした。
ヨロイ竜 Ankylosaur 大好きカーペンター博士の記載したヨロイ竜ペロロプリテス Peloroplites も張っておきましょう。
これは裏口にあるので前回来た時は気づかなかったですが、アロサウルスとカンプトサウルスがはしゃいでいるのではなく、アロがカンプトの首に噛み付いてぶん投げているという躍動的な狩のシーンを描いた像です。Survival (生存)というタイトルです。
気に入りました。はしゃいでるみたいでかわいいので。
それから西に向けて走り出しました。
そしてこの下の丸印の地点、オレンジビレッジ Orange Village を何気なく通過しようとしている時に見てしまったんですな!
ちょうどここを通過する際に!
このマウントを!
カスモサウルス…!!
ケラトプスユウタのケラトプスセンサーが恐ろしい😴
急ブレーキをかけて緊急停車しました。
サン・ラファエル博物館 Museum of the San Rafael という聞いたことのない小さな博物館ですが、ROM 843 以外のカスモは珍しいので明日はここに行きたいと思います。
シーズン休館になっていない事を信じて(出入口に何も書いてないからたぶん大丈夫)(たぶん)(そうでなければ終わりだ)。
この記事を書くのに多大なる協力をしてくださった冠龍さんにお礼申し上げます。
じゃあおやすみなさい。