ANSP #2 牙に生きた動物

恐竜玄人の中にはティラノサウルスが本当に好きなのか、(メディアや子供向けに)好きなふりをしているだけなのかわからない人が何人かいる。ケラトプスユウタです。トリケラトプスが好きです。

今回はフィラデルフィア自然科学アカデミー編の2回目です。よろしくお願いします。

前回のティラノサウルス Tyrannosaurus に引き続き今日も肉食恐竜のいくつかを紹介していきます。

最古の恐竜のひとつとして有名なエオラプトル Eoraptor (左)とヘレラサウルス Herrerasaurus

両者は伝統的には古獣脚類とも称される位置付けでしたが、The Dinosauria 2nd edition (2004)ではヘレラサウルスとエオラプトルは非獣脚類の基盤的竜盤類とされ、エオラプトルの方がより派生的と結論づけられています。

2017年のバロンらの論文では獣脚類よりも竜脚形類に近縁とも指摘されています。

ですが、アメリカでも日本でも依然として獣脚類として扱っている博物館が多いですね。

ほどほどのトサカが特徴の獣脚類、シノサウルス・シネンシス Sinosaurus sinensis (キャプションではディロフォサウルス Dilophosaurus)

「中国のトカゲ」を意味する属名と「中国産」を意味する種小名が与えられた、あたかも中国を代表するかのような種名ですが、群雄割拠の中国の恐竜の中ではランクが(以下略)

このクドイ感じの否めない属名と種小名の組み合わせは偶然というか、言ってしまえば事故のようなものです。というのも、本種はもともと1993年にディロフォサウルス第二の種「ディロフォサウルス・シネンシス」として記載されていたのですが、研究の結果、1940年に記載されていたシノサウルス・トリアシクス S. triassicus の同属別種ではないかということになり、ディロフォサウルス第二の種からシノサウルス第二の種に改められ、その関係でたまたまシノサウルス・シネンシスという名前になってしまったんですな。うんうん(参考文献)。

まあ名前なんてただの記号なので些末な事ですね。とりあえずシノサウルス・シネンシスが中国の恐竜ということは誰も忘れないでしょう。

一本角がユニークなアベリサウルス類 Abelisaurid 、マジュンガサウルス Majungasaurus

同じくアベリサウルス類で有名なカルノタウルス Carnotaurus もそうですが、多くの獣脚類の目の付近のトサカや角のたぐいは涙骨(眼窩の前あたりの骨)要素であるところ、前頭骨という(眼窩の上あたりの骨)別の骨に由来していますよ。

この角を具体的に何に使っていたか考えてみましょう。

つぎいこ!

白亜紀前期の北米の畏怖、アクロカントサウルス Acrocanthosaurus

見るからに獰猛そうな顔で人気の大型獣脚類です。下顎の前の方は細いのに後ろの方が太いのが良いですね。目の上のちょっとした隆起も良いですね。

また全身復元骨格を紹介できる日を楽しみにしています。

今日紹介する最後の獣脚類は、鳥のようなデイノニクス Deinonychus

まあ何度も紹介している恐竜ではありますが。

またテノントサウルス Tenontosaurus を襲ってますね。好きですね。

これからは「わー!やっぱりやられたー!」をテノントの持ちネタにしますね。

ちなみにデイノニクスだけでなくアクロカントもテノントの天敵候補のひとつです。大した武器もなく体も大きくないテノントたちはさぞ気の抜けない暮らしを強いられていたでしょうね。

そういった状況でサバイバルしていた動物はテノントだけではありませんが。

後ろ足、第二趾の目立つ鉤爪シックルクローはホロタイプより小さく見えます。つまりホロタイプの個体はけっこうでっかい個体だったのかもしれません。

テノントは珍しく子連れなのですが…

こうやってよーく見ると胡散臭いというかやる気のない顔をしています。

今日はここまで。それじゃ👋

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