ステゴサウルスは尾に4本のスパイクを備えています。今では誰でも知っている事です。ケラトプスユウタです。おひさしぶりです。今日もありがとうございます。
ステゴサウルスのあの強力な武器は、この奇妙な動物の有名な特徴の一部です。ですが伝説によると、科学がステゴサウルスに不慣れだった頃、この動物の尾の先はさらに多くのスパイクで山盛りポテトフライになっていたと考えられていたそうです。
1891年、ステゴサウルス・ウングラトゥス S. ungulatus の最初の組立骨格がイェール大のオスニエル・マーシュ博士の監修の下でアッセンブルされました。それがこれ。
この生物は今日我々が知っているステゴサウルスとはいくらか違っていますが、その一つが上述の4対のスパイクです。ではなんで彼らはそんな間違いを犯したのでしょう?
ケネス・カーペンター博士とピーター・ガルトン博士は、『The Armored Dinosaurs』に掲載された論文の中でマーシュ博士の歩みをたどりました。“8本スパイクのステゴサウルス”は、いくつかの異なる個体のコンポジットによって生まれたことがわかりました。マーシュ博士は復元がステゴサウルスの観念像のみを表すことを意識していたようです。
それでも8本スパイクの形態は、以前の解釈のいくつかよりは現実味のあるものでした。マーシュ博士がステゴサウルスを1877年に記載したとき、彼はその動物が巨大なカメのような姿であると考えました。彼はステゴサウルスの背中に骨質の「屋根」を形作る大きな殻の一部として三角形のプレートを想定していました(だから「屋根トカゲ」を意味するステゴサウルスです)。
マーシュ博士は後にこの考えを破棄しましたが、まだスパイクの問題がありました。彼はどこに置くべきか確信が持てず、1880年のある時点ではそれが手首に備わっていた可能性も考えました。
それからまもなく、マーシュ博士は手先の化石コレクターであるウィリアム・リード氏の産状スケッチを受け取りました。それによってスパイクは尾の先端から生えていたことが示唆されました。他にもいくつかのステゴサウルスのスパイクがこのように発見され、スパイクが尾の端に属していることが確認されました。マーシュ博士はそれに応じてアイデアを変えました。
テールスパイクの配置を確かめた後、マーシュ博士は送られて来たさまざまな標本が、スパイクの数が異なるステゴサウルスの同属別種を表していると考えました。つまりステゴサウルスは種によって、テールスパイクが1〜4対(2〜8本)と本数が変わると考えたようです。一部の標本でスパイクが失われたり、一つの標本セットに複数の個体が含まれている可能性を考えなかったか無視したということです。こういった種の乱立は、骨戦争時代の最盛期ではよくあることでした。標本が既知の物と異なって見える場合、それは新しい種として分離するに値するとされていました(この慣行は、骨戦争以降の古生物学者にとって慢性的な頭痛の種となったでしょう笑)。
嘆かわしくもマーシュ博士は、種によってスパイクの数が異なると考えた理由に関する詳細を記録に残しませんでした。1891年、この復元骨格が組まれる時までに尾のスパイクが4つしかない標本がいくつか知られていたにも関わらず、ウングラトゥスは8スパイクで復元されました。8スパイクのステゴサウルスは、当時の混乱と慣習の産物に過ぎず、この恐竜が4本以上のスパイクを備えていたという証拠はありません。
8本スパイクのステゴサウルスは印象的ではありますが、普通の4本スパイクでも十分に印象的ですね。
参考文献:
Othniel Charles Marsh and the myth of the eight-spiked Stegosaurus
Kenneth Carpenter, PETER M Galton
The armored dinosaurs, 76-102, 2001 (https://www.researchgate.net/profile/Kenneth_Carpenter3/publication/314896044_Othniel_Charles_Marsh_and_the_myth_of_the_eight-spiked_Stegosaurus/links/58c70eceaca27232ac82b5fa/Othniel-Charles-Marsh-and-the-myth-of-the-eight-spiked-Stegosaurus.pdf)