誰が読んでるかわかったもんじゃないね。ケラトプスユウタです。
今回はいよいよ哺乳類が登場します。早速見ていきましょう。
珍しく大人しいポーズのスミロドン Smilodon
ロサンゼルスのラブレアタールピットという所で、このサーベルタイガーの多数の化石が発見されています。このサイトがなぜそれほど多くのスミロドンを一箇所に寄せ付けたのかは定かじゃないですけど、専門家の中にはスミロドンは生きた獲物よりも主に腐肉をあさるスカベンジャーだったかもしれないと言う人もいるそうです。 後肢より前肢の方が長いのはハイエナチックではありますが、果たして…🤔
見てわかる通り、彼らには顎を閉じたときに顎のアウトラインから数センチ突き出る長い犬歯、またの名を「剣歯」がありました。こいつの先端を獲物の体にぶっ刺すためには下顎を95度以上開けなければならないと言われています。
下顎にも牙状の構造が伸びるゴンフォテリウム・プロドゥクトゥムGomphotherium productum
ゾウのなかまですけど首から後ろはサイを彷彿とさせるようなプロポーションですね。
ディプロトドン・アウストラリスDiplotodon australis
キャプションによると最大の有袋類 Marsupial 。巨大なウォンバットのような動物で、現在のサイやカバのような生態系的地位だったとのこと。(ウォンバットにしちゃ脚長いな)
パノクトゥス・フレンゼリアヌス Panocthus frenzelianus
前回の氷河期でグリプトドン類 Glyptodont が滅ぶまで南米に生息していたグリプトドン類。巨大アルマジロみたいなものです。
頭頂部も装甲に覆われているわけですが、ダサい帽子みたいに見えます。
これだけの守りを固めていれば、そうそう肉食獣に襲われることもなかったのでは。
それにしても縦長の顔、がっしりした下顎、小さな四肢、ドームのような胴体の装甲、棒状の尾など全体的に奇抜なプロポーションですね。
レストドン・アルマトゥス Lestodon armatus なるオオナマケモノ。
メガロクヌス・ロデンス Megalocnus rodens (左手前)とメガロニクス・ウェアトレイMegalonychus wheatleyi(右奥)
この展示は、更新世(2万5800〜1万1000年前)の巨大な地上ナマケモノの多様性を示しておりまして、非常に多様な形態と生態をもつナマケモノたちが新世界全体で見られたことがわかるようになっています。けれども更新世の終わりには、にわかにすべての地上のナマケモノが絶滅しました。
一方、キューバの異節類(アリクイ類) xenarthra メガロクヌス・ロデンスは、少なくとも約4,000年前までは生存してたようです。人類がキューバに住みつくようになったのが5000年前らしいので、かなり最近のことです。化石の定義は「1万年以上前の生物の遺物」なので、メガロクヌスは絶滅動物には違いないですが古生物とは言えないですね。おそらく、近代から現代の哺乳類のホールにスペースがないためにメガロクヌスがここに展示されているんだと思いますが、異節類が長い間、基盤的有胎盤類と考えられていたためかもしれません(現代の分子データはこの見方に異議を唱えていますけどね)。前回の氷河期末の大絶滅がなければ、これらの巨大な哺乳類たちはゾウやサイと比肩する現代の巨大植物食動物と見なされていたでしょうね。
パラケラテリウム Paraceratherium
史上最大級の陸棲哺乳類の一つとして有名なお方。
ほぼ頭骨のみで展示する勇気に脱帽です。でも針金でシルエットを表しているのでパラケラテリウムのサイズとおおまかな形を伝えるには十全でしょう。奇蹄類(ウマ類)のなかまであるサイっぽい質感が伝わって、説得力のある復元のように感じます。
ホラアナグマ Ursus spelaeus
ホッキョクグマに近縁でヨーロッパに生息していました。だいたい立ち上がった姿で展示されてますよね。
アンフィキオン Amphicyon
このマウントは3体のコンポジットだそうです。中新世の北米では最大級の捕食動物だったそうです。
アンフィキオンが狙っているシカは、ラモケロス・オスボルニ Ramoceros osborni と言うそうです。
現生のプロングホーンに近縁で、三つに枝分かれした角と常に右側の角が左側のものより長いという特徴を持ったアシンメトリーオシャレ野郎です。全てのオスがアシンメトリーな角を持っているのは良いとして、競い合う二頭の角の長さに差があるとうまく噛み合わせられなさそうですね。
今日はここまで!
それじゃ👋