AMNH #10トラコドンと愉快な仲間たち

上の画像を敢えてシルバートーンにした僕のセンスに脱帽できましょうや。ケラトプスユウタです。

今日はAMMHの鳥盤類ホールの2回目です。よろしくお願いします。

テノントサウルス Tenontosaurus

獣脚類と展示場が分かれているおかげで、ここではデイノニクス Deinonychus に襲われずに済んだみたいですねー!🤓

右下に写っている頭骨は補完された実骨のようですよ。

イグアノドン・ベルニッサルテンシス Iguanodon bernissartensis

1899年にベルギーのベルニッサル炭鉱で発見された化石の一つ(キャスト)。

プロサウロロフスProsaurolophus

クリトサウルス・ナヴァジョヴィウスKritosaurus navajovius 頭骨。

鼻梁が盛り上がっているタイプのハドロサウルス類の代表的な属の一つ。

ランベオサウルス・ランベイLambeosaurus lambei

AMNH 5373

よく見る標本ですね。

ランベオサウルス・ランベイLambeosaurus lambei AMNH 5353

パラサウロロフス・ワルケリParasaurolophus walkeri

これもよくある整ったお顔の標本。

エドモントサウルス・アンネクテンスEdmontosaurus annectens (キャプションではアナトティタン・コペイ Anatotitan copei)

頭骨を下側(内側)から見たもの。

後頭顆(第一頸椎との接合部)がこの角度って事はさ、口先は下を向くのが基本姿勢っぽいですね。

口先が広く、下生えを刮ぐのに向いていると言われています(今更な情報)。

このパースがつきまくった写真に写っているのは、サウロロフス・オスボルニ Saurolophus osborni のウォールマウントですね。ホロタイプらしいです。ものすごい完全性ですね。なんか頸椎だけばらけてますが、大部分が関節していて見事です。成体ではないようです。オスボルニの成体は頭骨のみで知られていますが、成熟するとティラノサウルス Tyrannosaurus より大きくなるとの噂。

サウロロフスといえばモンゴルのアングスティロストリス S.angstirostris が有名ですが、模式種はこっちです。

トサカ、前上顎骨、前耳骨の特徴に種差があるようです(参考文献)。

まあ過去に復元教室レポートも上げているので興味あればご査収ください。

見事なコリトサウルス・カスアリウス Corhythosaurus casuarius

同じ写真をパース調整してみましたが、あまり良くないですね。

まあいいや。このコリトサウルスは、カナダのアルバータ州で1912年に発掘されたもので、これまでに発見されたコリトサウルスの中で最高の標本です。

AMNH 5240

これもかなりの保存状態を誇るコリトサウルスです。というかホロタイプです。

なんと親切なことに両面を観察できるという珍しいウォールマウントです。

部分的に保存されている皮膚印象が拝めます。

コリトサウルスのようなランベオサウルス亜科 Lambeoaurin は、口先が細くサウロロフスやエドモントサウルス Edmontosaurus のようなグレーザーではなく植物を選んで食べるタイプのカモハシ竜だったのでしょう。

トサカは特に付け根付近、鼻骨要素の左右幅が意外とあります。

頸の神経突起は短いので自由に動くと思われます。S字ではなく若干弓状です。頸につながる前方胴椎はハドロサウルス類らしく大きく下がっています。

腸骨後方の突起が発達しています。このパーツは他の鳥盤類では大したことないのです。これは脚を後ろに引くための筋肉の付着部で、ここが小さいと後ろに引く筋肉のスペースが確保できないそうですよ?

大腿が短く膝から下が長いので、おそらく速く走ることができたんではないでしょうか。

他の大型恐竜に比べると膝がよく曲がっています。

当ブログ二度目の紹介になります。

「プロケネオサウルス」“Procheneosaurus”

なんらかのランベオサウルス亜科(おそらくランベオサウルスかヒパクロサウルスかコリトサウルス)の幼体です。

(前回は「福井県立恐竜博物館 特別展 恐竜の脳力」でご紹介しました。)

AMNH 5060 またの名をマミー Mummy

つまりミイラ。

そのニックネームにも関わらず、この標本は厳密にはミイラではなく皮膚を残した化石です。最近の研究では、大昔の恐竜の肌の質感を垣間見る以上のことが示唆されています。

2015年の論文では、ハドロサウルスの皮膚は、分解に関係する微生物を殺す物質を放出する色素分子を含んでいたため、ミイラ化しやすいという可能性が示唆されました(参考文献)。

あとこの標本もチャールズ・スタンバーグ氏が発見した物なので、スタンバーグ氏はエドモントサウルスのミイラ見つけすぎ案件(別のミイラ化石について過去記事で紹介しています)。

この2体も未だにアナトティタン名義ですがエドモントサウルスです。向かって左の子が前肢を接地していて、右の子が立ち上がっているのは新旧復元ということではなく、基本的には二足歩行、じっとしている時やゆっくり移動する時や植物を食べている時などは四足歩行だったという説を反映したものであるはず。

2足型の方がゴジラ型復元なので旧復元と言えますけど。どこかのイグアノドンみたい。

「ひでーな母さん!俺の名前はトラコドンじゃなくてアナトサウルスだよ!」と言いつつも自分の名前がアナトティタンだったことに気付き爆笑するエドモントサウルス🤓

つづく…