神流町恐竜センター #6 大鎌往来、一本爪の掟、鼻っ柱大将

「新種の恐竜見つけたらなんて学名つける?」と聞かれた事が複数回ありますが、これには2つツッコミ所がある。ケラトプスユウタです。

今回は神流町恐竜センターの展示物から3種類の標本をね、紹介します。

冗談みたいなサイズ(大きさ)のサイズ(鎌)🤓

テリジノサウルス Therizinosaurus の象徴的なパーツ。

高い知名度を誇るモンゴルの恐竜の一つですが、ほとんどのパーツは知られていません。最近、近縁なテリジノサウリア Therizinosauria がよく知られるようになってきたのでそこからの類推でテリジノサウルスの復元もより“それっぽい”ものになって来てはいますが依然として謎に包まれた恐竜です。とりあえずテリジノサウリアの代表のような扱いでありながら規格外の巨躯の持ち主だったようです。

同じネメグト層 Nemegt Formation 産でオルニトミモサウリア Ornithomimosauria としては規格外の巨大さで知られるデイノケイルス Deinocheirus と比較されるテリジノサウルスですが、デイノケイルスのように完全に近い標本が追加される日は来るのでしょうか。

もう一つの「ゴビ砂漠の爪」。モノニクス Mononykus

以前も同じ標本を紹介した事がありますが、今回はその時と違う話をしたいもんですな。

モノニクスは「一本の爪」を意味する属名です。他の指が退化して第1指しかないんです。

「蟻塚を壊してアリをほじくり出す」、「大型恐竜を傷つけて血を舐める」などなど、この一本爪に用途を求める説(俗説含む)をいくつか聞いたことあるんですけど、個人的にはどう考えても退化器官としか思えません。なにぶん指が退化している上、腕もかなり短いじゃないですか。上記の行動を取るなら口でやった方が絶対速いですよね。失礼します🚪

あとあれ、Mononykus というスペルに違和感をおぼえます。ふつう爪を意味するニクスと言ったらそのスペルは “nychus” です。デイノニクス Deinonychus もノトロニクス Nothronychus もそう(バリオニクス Baryonyx は違うけど)。このモノニクスも元々Mononychus 表記で、僕もそれに慣れていました。ところが甲虫類に同じ属名が先取されていたということで、規約に則って現在のスペルにマイナーチェンジされたわけですね。このように恐竜の属名がムシ(広義)に先取されているケースは一つや二つではありません。ディケラトプス Diceratops、シンタルスス Syntarsus、インゲニア Ingenia、ラエラプス Laelaps がそうで、今はそれぞれネドケラトプス Nedoceratops、コエロフィシス Coelophysis、へユアンニア Heyuannnia(おととい紹介したばかり)、ドリプトサウルス Dryptosaurus と呼ばれています。なんか、別に改名の経緯がなくてもただでさえワケアリな恐竜たちという印象…🤓 (モノニクスから猛烈に脱線するのでその話は置いておきますが)彼らと比べるとモノニクスは原形を留めまくった属名で親切に思えます。

ひさびさに鳥盤類 Ornithischia 登場。

アルティリヌス・クルザノヴィ Altirhinus kurzanovi

ぱっと見の印象ではイグアノドン Iguanodon とマズルが盛り上がったグリポサウルス Gryposaurus の中間のような顔。当初はイグアノドン・オリエンタリス I. orientalis 呼ばわりされていましたが、1998年に独自の属を与えられました。歯列が3なので、今では歯列が2つのイグアノドンよりもだいぶ派生的なアンキロポレクシア Ankylopollexia とされています。なので派生のレベル的には実際にイグアノドンとグリポサウルス(ハドロサウルス類という意味で)の間くらいの位置付けのようです。

約束通り3種類紹介したので帰りますね。

おやすみなさい。

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