ケラトプスユウタのイニシャルはカレンダーイヤーの略と同じ。ケラトプスユウタです。
モンゴルの恐竜たちは神流町恐竜センターのメインの展示と言えるでしょう。
当館は有限会社ゴビサポートジャパン(恐竜の骨格標本や復元模型の製造・販売・設置などを行う業者)の高橋功さんの努力の上に設立されたそうなのですが、高橋さんがその際にモンゴルのリンチェン・バルスボルド博士との縁を築かれたとかで、その関係でゴビ砂漠の恐竜が異様に充実しています。
中央に佇むモンゴル産ティラノサウルス亜科 Tyrannosauriae (タルボサウルス Tarbosaurus)
キャプションによるといくつか作り直しが行われたそうです(以前は後ろ向きにつけられていた肋骨を横向きに修正。肩甲骨の位置を下げた。頸肋骨、腹肋骨、血道弓をつけたらしい)。
比較のためにビフォーの画像を持っていれば良かったんですけどね。

少なくとも4つのキティパティの標本がタマゴを抱いた状態で見つかっています。その中で代表的なのが、このビッグママと呼ばれる大型の個体です。すべての営巣標本は、先端を中央に向けて輪を描くように並べられた卵に囲まれるように座っていて、四肢は巣の両側にシンメトリーに広がっており、腕は巣の周りを覆うような姿勢です。この姿勢は現在では鳥にのみ見られるという事で、鳥類と獣脚類 Theropod の間の行動的なリンクを支持していますね。この化石は、キティパティのようなオヴィラプトル類 oviraptorids が羽毛の付いた腕を持っていたという仮説も支持します。 「腕」が巣の周囲に沿って広がっているので羽毛によるカバーが存在しない限り、ほとんどの卵は覆われません。
恐竜の卵化石は貴重なものですが、オヴィラプトル類の卵は比較的よく知られています。 4つの既知の営巣標本とともに、数十の孤立したオヴィラプトル類の巣がゴビ砂漠から報告されています。 キティパティの卵はエロンガトーリトゥスと言って細長い楕円のような形をしており、テクスチャーと殻の構造がダチョウなどの平胸類の卵に似ていると言われています。キティパティの卵は巣の中で最大3層の同心円状に配置され、完全なものだと22個の卵があるそうです。
キティパティの卵の長さは最大18cm、オヴィラプトルのものは最大14cmだそうです。
アルグイウラーンツァフ Algui-Ulaan-Tsav 産の恐竜の卵。
モンゴルで発見される最大級の卵化石だそうです。形状からしても竜脚類 Sauropod でしょうかね。
卵が割れているのはヒナが孵化したのではなく、化石になった後に割れたのだそう。
キャプションによると、モンゴルでは大型の卵は固い地層、小型の卵は当時砂丘だった場所から見つかるそうです。恐竜の種類による生活環境の違いや産み分けが想像されますね。
派生的なオヴィラプトル類(へユアンニア Heyuannia)
キャプションではアジャンキンゲニア Ajancingenia になっていますが、まあよくある名称問題で現在はへユアンニアが有効な属名です(一番通じが良いのはインゲニア Ingenia という名でしょうか)。
ちなみに卵の殻は青緑色だったという説があります(参考文献)。
コンコラプトル Conchoraptor
キティパティを参考に復元したものだそうです。キャプションにはへユアンニアより華奢と書いてありますが、言うほどでもないような🤔
今日はここまで。次回もまだまだゴビ砂漠の恐竜です。
それじゃ👋
== 参考文献 ==
Paul, G.S. (2002). Dinosaurs of the Air: The Evolution and Loss of Flight in Dinosaurs and Birds.Baltimore: Johns Hopkins University Press.
Varricchio, D.J. (2000). “Reproduction and Parenting,” in Paul, G.S. (ed.). The Scientific American Book of Dinosaurs. New York: St. Martin’s Press, pp. 279-293.
Clark, J.M., Norell, M.A., & Chiappe, L.M. (1999). “An oviraptorid skeleton from the Late Cretaceous of Ukhaa Tolgod, Mongolia, preserved in an avianlike brooding position over an oviraptorid nest.” American Museum Novitates, 3265: 36 pp., 15 figs.; (American Museum of Natural History) New York. (5.4.1999).
“神流町恐竜センター #4 タルボサウルスとオヴィラプトル類” への1件のフィードバック