食パンは焼かないし何も付けない主義。ケラトプスユウタです。
ロッキー博物館の Hall of horns and teeth の展示物を紹介しています。今日紹介するのはハドロサウルス類 Hadrosaurid の代表的存在、エドモントサウルス Edmontosaurus です。
国内外問わずいろいろな博物館に展示されているので、このブログでは何度も紹介しているお馴染みの恐竜です。今日学名が発表されたムカワリュウ Kamuysaurus japonicus にも近縁なのでややタイムリーです。
エドモントサウルス・アンネクテンス E. annectens というとティラノサウルス Tyrannosaurus と同期(参考文献)ということで、その餌食になっている姿が定着しているような気がします。
実際、アンネクテンスはティラノサウルスのメインディッシュ候補の一つだったことでしょう。この頭骨には赤い印で示されたところに小さな歯が突き刺さっています。
👇拡大画像
エドモントサウルスは背が高いので、共存していた捕食者で頭部に口が届くのはティラノサウルスだけだったはず(エドモントが頭を低い位置にしている時だったら以上の限りではないです)。
さて🚴♂️、1999年、ロッキー博物館のフィールドクルーはゲッタウェイ峡谷 Getaway Coulee で恐竜を探していました。3人のポルトガル人の学生、ポルトガールズはある露頭を発見してジャック・ホーナー博士に報告しました。その骨はものすごい密度で折り重なっていました。ティラノサウルスの脚の骨はそのように密になった状態で発見されることがあるので、ホーナー博士は最初それがティラノサウルスのものだと考えました。そしてエックスレックス X-Rex というニックネームを与えました。ところが調査を続けるうちにそれはティラノサウルスではなくエドモントサウルスであることが判明しました…!
その化石がこちら💁♂️
MOR 1142 またの名をエックスレックス X-Rex
アンネクテンスの関節した長大な尾(と後肢)の化石で、尻尾だけで長さ7.6mあります。バケモノです。普通のエドモントサウルスが全長10m前後なので相当デカいです。
推定全長は約15〜18m、推定体重10t以上ということで、ハドロサウルス類の進化の頂点を極めたアンネクテンスの地位に恥じぬ堂々たる体格の持ち主だったようです(参考文献)。ヘルクリーク層の当時のフォーナ(生物相)ではトリケラトプスと双璧をなす巨大植物食動物だった事は間違いないでしょう。ティラノサウルスの体重は5〜6tということから考えると、少なくとも単独では手も足も出ない相手だったのではないかと思います。
これはふざけて描いた絵ですけども、このエックスレックスと以前紹介したもう一つの巨大エドモントサウルス「ベッキーズ・ジャイアント」にインスパイアされたものです。
巨大さもさることながら、エックスレックスは皮膚印象が残っていることでも偉大です。
(6枚の画像のコンポジット)
脊椎の上に沿うように飾り鱗があるのが確認できるのですが、椎骨一個一個に対応しすぎていて不自然なので、死後皮膚がずれただけかもしれないとも言われています。
ヨシズトライクに続いてバケモノしかいないのかと言ったところですけども。最後にして最強の恐竜たちが暮らしていたヘルクリークの恐ろしさがまた一つわかりましたね。
つづく…!
“MOR #15 HALL OF HORNS AND TEETH / EXTRAORDINSRY GENTLEMAN” への1件のフィードバック