みなさんこんにちは。ケラトプスユウタの恐竜旅行ブログは、しばらく前からカテゴリーという機能を使っています。記事タイトルの下か横あたりに「博物館」とか「フィールド」とか小さく書いてあったら、そこをクリックすると同じ分類群にカテゴライズされている記事の一覧が出ますのでせいぜいご利用ください。ケラトプスユウタです。
今日紹介する恐竜は…アケロウサウルス Achelousaurus !
昨日のエイニオサウルス Einiosaurus に引き続きパキリノサウルス族 Pachyrhinosaurini のケラトプス類 Ceratopsid ですけども、エイニオサウルスの記事でアケロウサウルスにも言及したので敢えて今回のエキシビットとして抜擢させていただきました。ありがとうございます。
僕の経験上、今のところ、アケロウサウルスは必ずエイニオサウルスとセットで展示されているので、エイニオサウルスと同じくこのアケロウサウルスも3度目のエンカウントとなりました。ありがとうございます。
アケロウサウルス・ホルネリ A. horneri
MOR 485
補完されたホロタイプの実骨。
嘴骨、頰骨、下顎、右の鱗状骨が未発見です(参考画像)。
よく見るとアーティファクトは色が違う(灰色っぽい)のでわかります。
かなりコブコブした生体復元画で描かれることが多い動物ですが、鼻角の先が少し尖っていることがわかります(ただし先端の先端はアーティファクトであることにご注意)。
エイニオサウルス同様、眼の上も粗くなっているのがわかります。基盤的なセントロサウルス亜科 Centrosaurinae では角になっている部分と相同の部分です。
僕は厚い角質で覆われていたと想像しています。より派生的なパキリノサウルス Pachyrhinosaurus でもそうなっています。
勇壮なホーンレットがセントロサウルス亜科らしい(二日連続)。
右側面も大部分は無事。
そしてご覧いただきたいのがこちら👇
MOR 591
早い話がこの標本、亜成体のアケロウサウルスの顔の吻側半分ですが、しっかりした鼻角を備えています。エイニオサウルスがそうだったようにアケロウサウルスも若い個体ではエウセントロサウラ Eucentrosaura の基本形のように鼻角(湾曲してもいない)をもっていて、成長と共に瘤状に発達したことが知られています。
これは僕の憶測ですが、スパイク状の角から瘤に以降する過程で、「エイニオサウルスのように前傾した角」という段階を経ていたかもしれません。その場合、見た目はエイニオサウルスそっくりだったでしょうね。
これは MOR 591 の左の縁頭頂骨(手前からP2。たぶん)。要はフリルの縁のホーンレットです。ご覧頂いたように成体では長くて鋭利ですが、この部分も成長とともに発達したようです。
アケロウサウルスも図鑑ではエイニオサウルスのホーンレットとパキリノサウルスの瘤を兼ね備える両者の移行型に過ぎない(ポケモンで言うとフシギソウやカメールの段階程度という)認識をされているかもしれませんが、アケロウサウルスの骨を見ると自然が生み出した動物は人が創り出したキャラクターのように単純ではないことがわかります。同意しますね?😄
今日もありがとうございます。続きはまた明日!
参考文献: S.D. Sampson 1995. “Two new horned dinosaur from the Upper Cretaceous Two Medicine Formation of Montana; with a phylogenetic analysis of the Centrosaurinae (Ornithischia: Ceratopsidae).” Journal of Vertebrate Paleontology, 15(4), 743-760