“五”、“六”の画数は四。“七”、“八”、“九”、“十”の画数は二。ケラトプスユウタの画数は十九です。
はい!
ユタ州立自然史博物館(UMNH)、第8回。
州の名を背負わされたケラトプス類 Ceratopsid
それはユタケラトプス・ゲッティー Utahceratops gettyi!
余談ですが、僕の最初のツイッターのアカウント名は「ユタケラトプスパゲッティー」でユタケラトプス・ゲッティーの属名と種小名の間に「パ」を入れるだけでパスタになるというダジャレでした🤓
今のケラトプスユウタという名前もその遺伝子を受け継いでないこともないです。
まあ僕の話は良いんです。
ユタケラトプスはグランドステアーケース・エスカランテ国定公園で発見されたカスモサウルス亜科のケラトプス類で、コスモケラトプス Kosmoceratops およびセントロサウルス亜科のナストケラトプス Nasutoceratops と同じカイパロウィッツ層産ということで、少なくとも3属(3種でもある)のケラトプス類が生物相を共有していたことになります。
サバンナで近縁な大型植物食哺乳類同士が共存している事を思えば別に特殊なケースとは思いませんね。
当時のララミディア大陸に肥沃な土地があったことの証拠にはなりそう。
ダイナソーパーク層のケラトプス類もオーバーラップしているものだけを考慮しても、常に2種はくだらない感じですよね。セントロサウルス Centrosaurus、カスモサウルス・ベリ Chasmosaurus belli、カスモサウルス・ルッセリ C. russelli が重なっている時期があった事も知られています。
そういえば2016年のファウラー博士らによると、カイパロウィッツ層の恐竜はカナダのダイナソーパーク層の恐竜たちの子孫系ではなかろうかとのこと(参考文献)。
他に共存した大型鳥盤類にはこの前紹介した アカイナケファルス Akainacephalus、パラサウロロフス・キルトクリスタトゥス Parasaurolophus cyrtocristatus、グリポサウルス・モヌメンテンシス Gryposaurus monumentensis が知られています。
ティラノサウルス類 Tyrannosaurid はテラトフォネウス Teratophoneus が共存していました。それも最近紹介しましたね。
このマウントは6個体分のコンポジットであるホロタイプ: UMNH VP 16784
16784を「色んな端」と語呂合わせで記憶しています(色んな個体の断片って意味でね)。
フリルのプレパレーションが終わる前にデザインされたらしく、フリルが出回っている化石に基づく骨格図と違います(参考画像)。
ゲッタウェートライク(らえらぷすさん)の言葉を借りますと、首が寸詰まりで肩甲骨のずれが指摘されているそうです。
横向きに伸びた短い目の上の角、鼻孔より後方に位置する鼻角、前方に折れた一番内側のホーンレット(P1)の組み合わせが独特です。
顔はモンタナのスピクリペウス Spiclypeus 、フリルはニューメキシコのペンタケラトプス Pentaceratops に近い感じです。
ペンタケラトプスの姉妹群で、“トリケラトプス Triceratops よりもカスモサウルス Chasmosaurus に近縁なクレード”の基盤的位置付けとされています(参考画像)。
行く時期が少し早かったようで僕は見れなかったんですが、今行くと幼体 juvenile のユタケラトプスも一緒に展示されているようです(参考画像)。成長段階がわずかでも知られるケラトプス類は少数なので貴重です。
今後UMNHに行かれる方はお見逃しなく!
今日はここまでです。さよなら!