上の如く下も然り。ケラトプスユウタです。
今日は「北九州市立いのちのたび博物館」こと「北九州私立自然史・歴史博物館」のレポートをやらせていただきます。
博物館の詳しい情報は公式ホームページをご覧ください。
最寄駅はJR鹿児島本線「スペースワールド」駅です。
2018年8月2日に行きました。
この博物館も奥行きがあって幅はそんなにないので少し御船町恐竜博物館のような“行列”っぽい展示になっています。あと特別展で主役をはったようなスター恐竜が目立つ印象です。
いきなり来館者を出迎えるのは有名なティラノサウルス・レックス Tyrannosaurus rex のスー またの名を FMNH PR 2081
アメリカ・サウスダコタ州で発見されたスーは高い保存状態と体の大きさで知られ、ごく最近の話ですがカナダ・サスカチュワン州産のTレックス、スコッティが最大とされるまでは世界最大のTレックスでした。そして最も高い値段(760万ドル、1997年10月4日)がついた恐竜です。
現物はシカゴ・フィールド自然史博物館(FMNH)に所蔵されています。
日本には2005年に国立科学博物館で開催された特別展で初上陸しました。その時のポーズは頭を下げたポーズで観察しやすいのは良かった(と言っても当時はそんなしっかり見てない。高校生だったけど見てない)のですが、いのちのたび博物館のこのポーズは頭が高くてカッコよさというか威厳の面ではこっちの方が良いですね。
次なる展示物はセイスモサウルス Seismosaurus ことディプロドクス・ハロルム Diplodocus hallorum。
セイスモサウルス・ハロルムと言えば世界最大の恐竜博2002という、今や伝説となっている特別展において、全長35mを売り文句に主役を務めた恐竜。その時まではディプロドクス属と近縁だけど仙椎(腰のところの椎骨)の数が一つ少ないということで属を分けられていたのですが、皮肉にもその会場内で行われていた実骨のクリーニングの過程で仙椎の数が実際はディプロドクスと同じであることがわかり独自性が否定され、ディプロドクス属の新種ディプロドクス・ハロルムとして再記載されコンセンサスも得られました。同時にディプロドクスの最大全長が35mに更新されることになり、ディプロドクスが史上最大の陸生動物一覧にいきなりリストインする結果になりました。
でもこの博物館ではキャプションはセイスモサウルスのままですね。
ところで頸椎が中程で折れているのは妥当な復元じゃないよね?
ディプロドクスの脇に立つ竜脚類 Sauropod は、本当によく紹介するようになったカマラサウルス・スプレムス Camarasaurus spremus
カマラサウルスはモリソン層においては最も成功した竜脚類です!
大翼竜 ケツァルコアトルス・ノルトロピ Quetzalcoatlus northropi
これもおそらく翼竜をメインにした特別展で主役を務めた標本。

大きな翼竜の次は小さな翼竜 プテロダクティルス・エレガンス Pterodactylus elegans
海外ではプテラノドンよりも名前はメジャーだったりするのは研究黎明期から知られているというだけの理由だろうか?
アロサウルス Allosaurus (手前)とクリオロフォサウルス Cryolophosaurus (奥)
アロサウルスはかはくのアロサウルス先輩と同じキャストですかね? 顔のもっさり具合が似てるように思います。
もしそうなら日本で初めて組み立てられた恐竜の全身骨格と同じキャストということでスター標本と言えばそうですね。
まあそうでなくともアロサウルス自体がスター恐竜ですが。
前期ジュラ紀南極のロックスター、クリオロフォサウルスは奇抜なトサカ状突起があって特殊っぽいですけど詳しい分類が混乱しています(少なくとも僕の中では)。
コエロフィシス Coelophysis の代表的標本
胃にあたる部分に幼体の骨があるってんで共食いの証拠と言われていた事もありますが、現在ではこれは幼体ではなくクルロタルシ Crurotarsi (ワニのなかま)だったと言われています。
けども共食いをしていた可能性は否定できませんね。
今日はこのくらいにしておきます。続きはまた明日! 👋