福井県立恐竜博物館 常設展示 ② 混乱の象徴

コンバンワ!

忘れがちだけど、福井県立恐竜博物館は標本を上から観察できるのありがたい。ケラトプスユウタです。

さあどうも! みなさんお待ちかね! FPDMの勇壮なる角竜 Ceratopsia をご紹介できる時がやってまいりました!

まずは

切り込み隊長は、トリケラトプス・ホリドゥス Triceratops horridus キミに決めた!

FPDM V9677

実骨を含んだ復元頭骨。フリル完全じゃないし角まっすぐだし鱗状骨長めだしトロサウルス Torosaurus のビリー Billy に似てるからトロサウルスである可能性を感じます。

トリケラトプス族 Triceratopsini としておけば無難ですね。

更に更に問題ある標本。問題ありすぎて目玉展示の一つになっているメデューサケラトプス・ロキー Medusaceratops lokii のレオナ Leona (カナダ・フォッシル社製)

開館当初から変わりなくここに立っておられるわけなのですが、当時は種不明のカスモサウルス Chasmosaurus sp. だと思われていた為、フリルがカスモサウルス・ベリ C.belli に基づいて復元されています。

カナダ編でアルバータケラトプス Albertaceratops を紹介した時にも説明したので、一応過去記事のリンクをつけておきます。なぜアルバータケラトプスの記事でメデューサケラトプスに言及したのかは次の説明でわかるように頑張ります。

えーと、まずですね、メデューサはアメリカのモンタナ州・マンスフィールドという所で数百個体からなる角竜のボーンベッドから発見されました(すべてがメデューサケラトプスかどうかは証明されてない)。

で、メデューサはセントロサウルス亜科の特徴であるハデなフリルカスモサウルス亜科の特徴である長い目の上の角を兼ね備えていることがわかりました。このようすがカナダ・アルバータ州で発見されたアルバータケラトプスと似ていたので、両者は同じ種類だと思われました。

さらに当時アルバータケラトプスも正式な記載がまだでして、「メデューサケラトプス」と仮称されていました。

つまりアルバータケラトプスとメデューサケラトプス、2つの異なる種類の動物が「メデューサケラトプス」と呼ばれていたんですね。

そしてここでカスモサウルスも出てくるのでややこしくなるのです。

僕の大好きなケラトプス類は、セントロサウルス亜科 Centrosaurinae とカスモサウルス亜科 Chasmosaurinae で構成されるというのはケラトプス類の基本の知識ですけど、当時、目の上の長い角が存在するセントロサウルス亜科は知られていなかったので、その特徴は長いあいだカスモサウルス亜科特有の物というのが角竜界の常識でした。

なので、見ての通り目の上に長い角があるこの角竜はカスモサウルス亜科に分類されました。

それでなんでカスモサウルス属まで断定したのかはよくわからないのですが、ひょっとすると「カスモサウルス亜科」と「カスモサウルス属」を間違えたのかもしれないという気もします(考えづらいですが)。

そんなわけでカスモサウルスのフリルで復元され、開館から数年はキャプションでも「カスモサウルス」になってました。

ちなみに生体復元模型はカスモサウルス・ベリ風に造られていて、骨格の特徴が反映されていないのですが、これを製作された荒木さんはおそらく「カスモ展示するからカスモ作って」くらいの感じでオーダーされたのではないですか?(きくな)

その後の2007年、目の上の角が発達したセントロサウルス亜科としてアルバータケラトプスが記載されました。

そしてまだマンスフィールドの角竜(この標本の動物)とアルバータケラトプスは同一種だと思われていた関係でキャプションが「アルバータケラトプス・ネスモイ Albertaceratops nesmoi」と書き換えられました。もちろん分類もカスモサウルス亜科からセントロサウルス亜科に書き換わっています。

そして今もそのままになっています!

マンスフィールドの角竜とアルバータケラトプスが違う動物ということは2010年には明らかになるのですが、キャプションはアルバータケラトプスのままになっています!

要するに、レオナは“フリルがカスモサウルスとして復元されていてキャプションではアルバータケラトプスメデューサケラトプス”という混乱の象徴のような存在になってしまっているんですねえ。うんうん。

装盾類 Thyreophora 行きます。

ステゴサウルス類 Stegosauridae 代表としてヘスペロサウルス Hesperosaurus

実骨を含む復元骨格。

以前はここにもっさりしたトゥオジャンゴサウルス Tuojiangosaurus がいましたが、こいつに取り替えられました。

ヘスペロサウルス自慢の武器、サゴマイザー。つまり尻尾の先のスパイク。

アンキロサウルス類 Ankylosauridae エウオプロケファルス Euoploceohalus

顔のアップしか撮ってなかったです。すみません。一応、斜め後ろからの全身は最初の写真に写ってます。

よく知りませんが鼻腔が前を向いているのがスコロサウルス Scolosaurus との違いなのよね?


ちょっとタンマ。

メデューサで思いのほか消耗したので今日はここまでにします。

明日こそ福井産の恐竜たちと恐竜以外の標本を紹介して最終回としたいと思います。

つづく….