獣脚類 #4 / 暴君暴吏暴飲暴食

毎年夏に必ず「熱中症になるよ?」と言われるけどなった事ない方。ケラトプスユウタです。あんたらとは鍛え方が違うんだ。

福井県立恐竜博物館の企画展シリーズ、4回目の記事です。さっそく見ていきましょう。

ディロン Dilong

最初に羽毛の化石が見つかったティラノサウルス上科 Tyrannosauroidea として有名で、その羽毛は枝分かれした繊維状で保温機能があった事が示唆されているらしいです。

復元頭骨より産状の頭骨の方が歪んでるでしょうけどかっこよく見えるのはなんだ僕だけか。

曰く付きの恐竜 ラプトレックス Raptorex

記載時は中国の白亜紀前期の地層から発見された事になっていましたが、実は盗掘品だった関係で、実際はモンゴルの白亜紀後期の地層だった事がわかり、派生的なティラノサウルス類 Tyrannosauridae のタルボサウルス Tarbosaurus の幼体であるという意見が支持されています。

「略奪者の王」という意味の学名ですけど、「それ自体が盗品」なんて言ってますけども笑

ピノキオレックスこと キアンゾウサウルス Qianzhousaurus (キャプションでは現地読み優先でチエンジョウサウルス)

顔が長いティラノサウルス類ということでユニークな存在です。

標本は歯がないので鳥っぽくも見えますが、本来は鋭い歯が並んでいました。

若い個体しか知られていないアリオラムス Alioramus に近縁とされ、同属という説もあります(その場合、キアンゾウサウルスがジュニアシノニム(アリオラムスに先取権がある))。

アリオラムスは未熟故に顔が細長く、成体になると他のティラノサウルス類のような顔つきになるのかもしれないと言われていましたが、このキアンゾウサウルスは成体で顔が長いので、少なくともティラノサウルス類の中に面長のタクサがいた事が証明されました。

魚食説もあります(参考文献)。

ティラノサウルス Tyrannosaurus

見てわかる通り頸椎から先の復元頭骨と下顎骨(FPDM V9767)。

ティラノサウルス類の最も派生的な位置付け。コエルロサウルス類 Coelurosauria の中では大型化とか強肉食動物化って流行ってなくて鳥に似た雰囲気の物が大半だと思うんですけど、ティラノサウルスはその流れに逆行した珍妙な存在ですよね。そう思いませんか。

きりがいいのでここまで! ティラノが見たかったら明日からの記事は読まなくていいぞ♪