御船町恐竜博物館 #2 偉大なダイナソー

4ケタの数字系の暗証番号をかたっぱしから3027(ヨシズトライクの標本番号)にしてると思ったら大違いです。ケラトプスユウタです。

昨日の記事でヨシズトライク Yoshi ‘s Trike (MOR 3027)はロッキー博物館(以下MOR)と御船町恐竜博物館に展示されてると言いました。

せっかくなので両者を見比べたい人のために写真を貼っておきます。上がMORの方です。

ヨシズトライクの偉大性は見てわかる事と昨日の記事で説明した通りですが、もう一つ僕が持っているエピソードを紹介します。

むかしむかし、僕が住んでいた町に、何かにつけて恐竜や恐竜好きを否定する海賊親分がいました。

親分は主に観光客からカツアゲすることで生活しているような……人物でした。

「いい歳して恐竜が好きな奴は精神年齢が低い」「恐竜は愚鈍だから絶滅した」

「恐竜の化石は全て捏造」と恐竜の実在したという事実自体を否定した時もありました。

ひどいもんですね。

海賊親分はある日、僕の携帯電話のカメラフォルダを見せるように言ってきました。普段からあの手この手でケラトプスユウタをギャフンと言わせようと画策しており、弱みをにぎるためです。このケラトプスユウタにそんな事で握られるような弱みはないので、快く見せてあげました。

そこで彼が目にしたのが他ならぬ御船町恐竜博物館のヨシズトライクの写真でした。

親分は言いました。「これはすごいね。尊敬するわ」

“尊敬するわ”は親分がよく野生動物に対して言う言葉でした。

もちろん組立骨格をデザインした人のセンスなんかもあるのですが、これはほぼヨシズトライクの偉大さの勝利と言えるでしょう!

なんせ恐竜を目の敵にしている人をうならせたんですから!

ヨシズトライクのありがたいお話はこれで終わり。次は周辺に配置されている恐竜を紹介します。

世界一の完全性を誇るパキケファロサウルス・ワイオミンゲンシス Pachycephalosaurus wyomingensis のサンディ Sandy。国立科学博物館(かはく)にもいますけど。

ステノニコサウルス・イネクアリスStenonychosaurus inequalis (キャプションではまだトロオドン・フォルモスス Troodon formosus でした)

2017年にいろいろあってトロオドン属が2種類の異なる動物を内包している事がわかり、T. フォルモススのホロタイプ(種の設立の根拠となる標本)が1本の歯だけで、それだけだと2種のうちどっちか判別できないってんでトロオドンが疑問名(有効性が不確かな学名)となり、トロオドンのシノニム(同物異名)だったステノニコサウルスが再び適格名に、そしてラテニヴェナトリクス・マクマステラエ Latenivenatrix mcmasterae が新属新種として記載されました(参考文献)。

要するに「トロオドン」にはステノニコサウルスとラテニヴェナトリクスの2種類が含まれていたということで、トロオドンの組立骨格として展示されてるものの多くはステノニコサウルスのようです。

アルヴァレスサウルス Alvarezsaurus (奥)とコンコラプトル Concoraptor

アルヴァレスサウルスは一本爪の小型獣脚類たちを内包するアルヴァレスサウルス類 Alvarezsauridae のタイプ属(科の模式となる属)。

コンコラプトルはオヴィラプトル類 Oviratoridae で「貝泥棒」という意味ですけど貝を食べていた証拠はないはず。(一部の?)オヴィラプトル類が貝を食べていたのではなかろうかという生態の推測に基づくネーミング。

今日はここまで! さよなら!