恐竜旅行ブログ編集してるおっさんでーす。
今日の記事も恐竜成分が皆無なので申し訳程度に、組み立て中のアマルガサウルス・カザウイ Amargasaurus cazaui を貼っておきます。ディクラエオサウルス類 Dicraeosauridae はタイムリーですしね。
4/27
カルガリーで自転車を買って東のドラムヘラーの町 Town of Drumheller へ向かう。ショッピングモールでうさんくさい日本食ファストフード店でかなりまずい部類のうどん食べながら決めました。
フードコートで地図広げてたら初老のおっちゃんが絡んできていろいろ口出し助言してくれました。
数分後にわざわざバックパッカーの雑誌まで買ってきてくれました(バックパッカーじゃないっての)ありがたい話です。
というかこの頃はまだ紙の地図なんか使ってたんですね(もはや他人事)。
アンゼンシルバー。自転車の名前。21段ギア。
ドラムへラーまでの経路に従って走って行くと途中(ファルコンリッジブールバードという道と80アベニューの交差点を過ぎたところにある閑静な住宅地付近、ターバン巻いたヒゲぼーぼーのネモ船長みたいな男がそこら中にいて冗談抜きで分身に見える。しかもケラトプスなまりの英語が通じない。ヒンディー語かアラビア語のどっちかは通じるんだろうけどそこらへんはケラトプスユウタが通じない)から地図上のどこを走っているのかわからなくなってきました。看板とかには「サドルリッジ」とか「サドルドーム」とか、やたら「サドル」のつく地名が書いてあるけど、地図にそんなの一切乗ってないのよね。どうも重機が開発してるのが目立つので、地図にない新しい地区を造ってるらしかったです。
「まったくよ、人が肩にかかるザックの23kgと尻の痛みに耐えながら頑張ってるところによ、勝手に新しい地区なんか造るんじゃないよ!」と実際に一人でほざきましたさ。
そのサドル地区にはそこかしこにプレーリードッグ Cynomys ludovicianus がいます。舗装路を右往左往してるやつもいて、さっさと穴に隠れればいいのにと思ったけど、落ち着きがなく挙動不審でした。
ブルドーザーで巣穴ぶっ壊されたんでしょうけどね。僕以上に開発の被害者ですね。
まあプレーリードッグは北アメリカ人からしたら害獣だし、プレーリードッグ用の掃除機なんてのもあるらしいくらいで・・・・。
現在既に市街地であるところもそのようにしてスクラップアンドビルドで存在してるんだなあと思いました。まあどうでもいっか!
東へと逃げる僕には関係ないのよね。
4/28
「デポ」って知ってますか? まあそういうのがあるんですけど。登山用語で、不要な荷物を途中で置き去りにして身軽になること。もちろん後で回収しないとだめです。たぶん deposit の略。僕は冗談めかして「パージ」とも言ってました。
そのパージをしました。カルガリーとデラカーという町の間の道、ヌートリアのいる池の脇。
というのも衣類が重すぎた。出発前に、持っていくべきでない物リストに衣類(着替え)の文字があるのは気づいたけど無視しました。今思えば判断ミスでした。ていうか判断ミスの集大成で今があるのか。現在の私があるのは一重に判断ミス様のおかげですってか。
衣類の他、三脚、ガスストーブ、ショッピングモールでもらった雑誌なども、ザック本体ごとパージです。これにより荷物はウエストポーチ(中身はサイフ、パスポート、通帳)、ザック本体からセパレートした天蓋(歯ブラシ、メガネ、ナイフ、タブレットなど)、カメラ、ビニル袋(食料)、地図、アンゼンレッド(シュラフ)、アンゼンイエロー(テント)だけの軽装になり、パフォーマンスが段違いに向上。
ザックはドラムへラーで落ち着いてから回収に来るプランです。
それからデラカーについてテントの中。フライに雪が当たる音が聞こえてきて、今頃ザックにも雪が積もってるかなと思っていた時、あることに気がつきました。
ザックの中にアレが入ってることに。
アレとはすなわちサイフ。
小学生が使ってそうなマジックテープのTレックスのやつ。レストランの支払いの時にツレの女性が死にたくなるやつ。
リスク分散のためサイフを3つ用意していて、Tレックスのやつがザックの中だった。5000ドル(40万円くらい)はキャッシュで入ってたんだけどなあ。
「まあ拾うやついないでしょ」と思いました。「明日にはドラムへラーに着くといいな」
4/29
「太陽が遠ざかる闇の中で迷う時でも、目を閉じて胸にある声を聞けば進んで行ける」仮面ライダー龍騎のオープニングが頭の中でループしはじめる。サードマン現象の前兆か。
地図だとエイドリーからドラムへラーまで105キロくらい。自転車で5時間の計算でしたが、既に8時間走っていました。北緯51度、西経113度の地点。
「いったいあと何回地平線を越えれば着くんだ。ドラムへラーに。」
そうして走っていてと気付きましたが、地平線ってそこまで遙か彼方じゃないんですな。ほんの数キロ先までのもの。
さて、ここいらは砂漠性気候が混ざっているからいまだかつて経験のないほどの乾きに苛まれます。空気中の水分から水分補給できる僕でも、その空気中に水分がないんじゃお手上げですよ。
イリカーナという小さな村の食品店で水を買いしめてから、店の前で地図を広げてたら(カルガリーと同じシチュエーション)中年男に話し掛けられた。
「世界を旅して回ってるのか?」
「いや、世界じゃないです」僕は答えました。
「グッドラック(≧ω≦)b」
「アリガトアリガト」
たったこれだけのやり取りだけで不思議とケラトプス調査隊(隊員一名)の士気は上がるのであった。
道は絶対あってるんだから、走ってれば着く。それしか考えてなかったですね。
明日の記事では恐竜の町、ドラムヘラーに到着しますよ! お楽しみに🤓