フィリップ・J・カリー恐竜博物館 #1

「おいハンドルが助手席側についてるじゃねえか!」ケラトプスユウタです。

というわけで反対車線を数回走ったりウィンカーと間違えてワイパー動かしたりしまくりつつも(日本でもやってたけど)、エドモントンからグランドプレイリー Grande prairie まで走りました。460kmで7時間。

離島暮らしが長かった身としては大陸の雄大さはかなり刺激がある。町同士の距離が離れていて道はほとんど高速道路だからバックパッカーには向かないというのもうなずける。手付かずの野生がひしめいていて一人じゃ一生かかってもとてもとても探検しつくせない。

途中で見たことないような鳥を数種類みかけたけど、なにぶん高速道路なのでどこでもすぐに止まれないよし写真を撮れなかったのが残念。でかいオナガみたいなのとか、白みがかった茶色っぽいワシとか。

グランドプレーリーのダウンタウンから少し走ったところにウェンブリー Wembley という場所があり、本記事タイトルにある通り、そこにあるフィリップ・J・カリー恐竜博物館 Phillip J Currie dinosaur museum が目的地。カナダの有名な古生物学者フィリップ・カリー博士の名前がついてるんだねえ。うんうんうん。博士の誕生日パーティーなんかもここでやっているらしい。

この博物館は2016年にオープンしたばかり。

新しいだけあって展示方法はかなり工夫されてる。

グランドプレイリーはもちろん、ドーソンクリークやパイプストーンクリークで発見された恐竜その他の標本を“数少なく”展示している。一般人なら30分もあれば全部見て回れる。

今日からその展示物の一部を紹介していってしまっちゃいたい!

カウンターからも見えるトロオドン・フォルモスス Toroodon formosus が出迎える。名称問題の前だったので、今でもトロオドン名義なのかはわからない。(2017年夏にトロオドン属は疑問名になった(参考文献))

これはパイプストーンクリークで発見された大規模なパキリノサウルス Pachyrhinosaurus のボーンベッド(参考文献: E. B. Koppelhus. 2008. Palynology of the Wapiti Formation in the northwestern part of Alberta with special emphasis on a new Pachyrhinosaur bonebed. International Dinosaur Symposium in Fukui 2008: Recent Progress of the Study on Asian Dinosaurs and Paleoenvironments. Fukui Prefectural Dinosaur Museum, Fukui 65-66.)を再現した展示で、パキリノサウルスの死体に群がる様々な動物食性恐竜のイメージで、さっきのトロオドンをはじめ、複数の獣脚類のキャストが展示されています。

ヘスペロニクス・エリザベタエ Hesperonychus elizabethae

小型のドロマエオサウルス類 dromaeosauridae。小さなシックルクローが可愛いのかな。

種小名は海棲爬虫類の専門家だった故エリザベス・ニコルズ氏への献名。

来客に襲いかかるようなダイナミックなポーズで復元されたドロマエオサウルス類代表、ドロマエオサウルス・アルベルテンシス Dromaeosaurus albertensis

サウロルニトレステス・ラングストニ Saurornitholestes langstoni。こちらもドロマエオサウルス類。パイプストーンクリークのボーンベッドで歯が見つかってるらしい。

少なくとも3種のドロマエオサウルス類が1つのフォーナ(生物相)に共存していたという解釈で良いのかな? 棲み分けについて妄想したくなるところですけども。

恐竜以外の白亜紀の動物たちが天井に吊されてる。

翼竜はモンタナズダルコ・ミノル Montanazdarcho minor。キャプションではアズダルコ類 azdarchidae としては珍しい小型の翼竜として説明されていたけど、アズダルコ類ではないという説もあるぞ(参考文献: Carroll, N. REASSIGNMENT OF MONTANAZHDARCHO MINOR AS A NON-AZHDARCHID MEMBER OF THE AZHDARCHOIDEA, SVP 2015)。

首長竜 タラッソメドン・ハニングトニ Thalassomedon haningtoni。有名なエラスモサウルス Elasmosaurus に近縁だけど標本を見る機会はこちらの方が圧倒的に多い気がする。

魚類クシファクティヌス Xiphactinus を襲うティロサウルス・ペンビネンシス Tylosaurus penbinensis。卵胎生である上に生まれた直後のベイビーの呼吸を母親が補助すると書いてあった。(ホンとかよ!?)

下から見たティロサウルス。鳥やワニと同じ主竜類の恐竜類じゃなく、トカゲやヘビと同じ有鱗類の動物だってわかりやすいと思うのですがいかがでしょう。

デンバー自然科学博物館の時も紹介したクシファクティヌス。日本の博物館でもよく見かける気がする。絶対白身だな。

続きはまた明日!

明日はここにしか展示されていないケラトプス類(!)をご紹介できると思いますのでお楽しみに…。